銘柄レポート
ダイナミックマッププラットフォーム(336A)株価分析 情報・通信
上場した日の高値1,706円を、1年4ヶ月たったいまも一度も超えていない——それがこの株のいちばん大きな事実。
自動運転に使う「高精度3次元地図」を作る国策色の濃いデータ会社。株価は初日の1,706円から2025年12月の532円まで▼69%解体され、そこから+64%の872円まで組み直されてきた。壊れたのは事業ではなく初日に乗った期待の値段のほう。何が解体され、何が生き残ったのか、そして8/7の決算までに何を見ればいいかを、この1ページで整理する。
ダイナミックマッププラットフォームの今と見どころ2026-07-21までの取引データで作成
執筆:2026-07-22
次回更新:7/25(土)ごろ
30秒だけの人へ
- 自動運転・運転支援に使う「高精度3次元地図」(誤差数cm級の道路データ)を整備し、自動車メーカーなどに提供する会社。内閣府の国家プロジェクト(SIP)の成果を実用化するため2016年に設立され、政府系ファンド2つが株の46%を保有。いまは売上の主役が受注仕事からライセンス型(前期+121%)へ入れ替わる転換期で、赤字だが2027年3月期に調整後EBITDA黒字化を会社が予想している。
- 株価は公開価格1,200円→上場初日の1,706円(これがいまも上場来高値)→2025年12月に532円(▼69%)→いま872円(底から+64%)。±15%動いた日が9回という乱高下銘柄で、TOPIXがほぼ動かない日に±10%動くことも珍しくない——浮動株が薄いことが構造的な理由。
- 焦点は8/7(金)15:31の1Q決算=「黒字化予想」の最初の答え合わせ(会社の開示で確認済み・同日16時から説明会)。最大の見どころはライセンス型売上の伸びが続いているか。株価の反応が出るのは週明け8/10(月)。
いまの状態
業績前期は売上▼23.8%だが中身が入れ替わり中——受注仕事(プロジェクト型)の期ずれをライセンス型+121.3%が補い、赤字幅は下方修正した計画より小さく着地。2027年3月期は調整後EBITDA黒字化の会社予想
株価の流れ12月の底532円から安値を切り上げながら回復中。5月の本決算後に4営業日で+45.6%→いまは860〜920円のもみ合い(25日線837円のすぐ上)
需給信用買い残108万株(発行済の4.6%・出来高の約3.4日分)。空売りできない銘柄で売り残はゼロ。政府系2機関の46%は動いていない(2026年3月末時点)
割安度赤字でPERは使えない。補助線は時価総額(206億円)÷ライセンス型売上=約8倍——12月の底(約11倍)より低い。株価は+64%戻したが、ライセンス型の伸びのほうが速かった
読みたいところへ
📅 これからの予定 — ダイナミックマッププラットフォーム(336A)に関連するもの
未来のことで確定している数少ない事実=「いつ・何が出るか」。自社の予定だけでなく、市場全体の経済イベントもここに出ます。日付はすべて日本時間・日をタップすると詳細が表示されます。
7/24(金)日本CPI(消費者物価・6月分)市場全体
朝8:30発表
東京が反応する日: 7/24(金)
公的日程照合
7/30(木)★FOMC(米金融政策) 結果発表市場全体
日本時間 3:00 結果発表・3:30 議長会見
東京が反応する日: 7/30(木)
照合済み・日本が結果を知るのは7/30の未明。東京市場は同日朝から反応
7/30(木)★日銀 金融政策決定会合市場全体
日本時間 結果は7/31昼ごろ・総裁会見15:30
東京が反応する日: 7/31(金)
照合済み
8/7(金)★ダイナミックマッププラットフォーム(336A) 4-6月期(1Q)決算自社
15:31(取引終了後)開示・16:00から決算説明会
東京が反応する日: 8/10(月)
会社の開示(7/7)で確認済み・「調整後EBITDA黒字化予想」の初回の進捗確認。米雇用統計と同じ日
8/7(金)★米雇用統計(7月分)市場全体
日本時間 21:30
東京が反応する日: 8/10(月)
照合済み
8/12(水)★米CPI(消費者物価・7月分)市場全体
日本時間 21:30
東京が反応する日: 8/13(木)
照合済み
速報直近の動き — ダイナミックマッププラットフォーム(336A)に関連するかもしれないニュース
終値(調整後)
872円
2026-07-21(▼1.2%・TOPIX+2.4%の全面高の日に取り残し)
上場来高値からの下落
▼48.9%
高値1,706円(2025/3/27・上場初日・取引時間中)から
上場来安値からの戻り
+63.9%
安値532円(2025/12/18・取引時間中)から
信用買い残
108万株
7/10時点=発行済の4.6%。売り残ゼロ(空売りできない銘柄)
3つの視点で見る(2026-07-21時点)
ファンダメンタルズ
売上の中身の入れ替わりが進行中。前期は受注仕事(プロジェクト型)の期ずれで売上▼23.8%だが、ライセンス型(データ利用権の継続収入)は+121.3%と倍増し、赤字幅は下方修正した計画より小さく着地。会社は2027年3月期に調整後EBITDA黒字化を予想する。答え合わせの初回は8/7の1Q決算。
需給
政府系2機関が46%を握って動かず、浮動株が薄い。信用は買い残のみ108万株(出来高の約3.4日分=小型株としては重め)。空売りできない銘柄なので、下げ局面で「売り方の買い戻し」という反発の起点が構造的にない。±15%動いた日が9回という乱高下は、この薄さの産物。
テクニカル
12月の底532円から、安値を切り上げながらの回復局面。5月の決算後に999円まで急伸し、いまは860〜920円のもみ合い。872円は25日線(837円)のすぐ上。1日の平均値幅(ATR)は6.0%と大型株の3〜5倍動く。確認は①直近の安値827円(7/21)を守る ②8/7の1Q決算 ③7月の戻り高値950円(7/16・取引時間中)超えで。
※「上がる/下がる」の断定はしません。いまの状態の要約と、確認すべき条件です。詳しくは以下の各章で。
1
なぜ、株価は「上場した日」を一度も超えられないのか
上場来高値1,706円は、事業の実績がまだ何も出ていない上場初日についた値段です。この1年4ヶ月は、初日に乗った期待が実態と照合され、解体され、そして別の形で組み直されていく過程でした。表はいちばん上が根っこ(土台)で、下へ行くほど新しい話になります。
土台初日に乗った期待
「日本の自動運転の地図はこの会社」という物語で始まった 2025年3月27日
- 2025年3月27日、東証グロース市場に上場。公開価格1,200円に対し初値1,530円(+27%)、初日の取引時間中に1,706円まで買われた——これがいまも上場来高値
- 買われた物語は強力だった:内閣府の国家プロジェクト(SIP)の成果を実用化するため2016年に設立された「国策の地図会社」。株主には政府系ファンド2機関(46%)のほか三菱電機・三井物産・トヨタ系の地図会社が並び、国内の主要な自動運転・運転支援向け高精度3次元地図で中核的な位置にいる
- ただし初日の高値1,706円の時価総額は約403億円——当時の直近実績の売上(2024年3月期55.7億円)の7倍超で、ストック性のライセンス型売上はまだ年10億円前後の段階。値段の大半は「これから」への期待だった
きっかけ最初の照合
上場直後の乱気流と、関税の直撃 2025年4月〜5月
- 上場5営業日目の4/1、TOPIXが+0.1%とほぼ動かない日に▼18.6%。悪材料の開示はゼロ——初値圏で買った人の投げだけで2割動く浮動株の薄さが、最初の1週間で露呈した
- 4/7は関税ショックの全面安(TOPIX▼7.8%)で▼18.0%の909円。このとき市場全体の話だった「関税」は、後にこの会社の業績への実害に変わる(下の「二の矢」)
- 5/21に1,549円まで戻したが初日の高値には届かず、5/23に▼15.2%と反落。「初日を超えられない」形がここから固まっていく
二の矢決算の失望と大株主の売り
12月の底532円へ——売っていたのは三菱電機だった 2025年11月〜12月
- 11/13の2Q決算(15:31開示):中間売上24.5億円(+9.0%)は当時の通期計画70億円に対し進捗35%。翌営業日は▼10.7%(TOPIX▼0.65%の日)と、市場の採点は厳しかった
- その直後の11/25から、三菱電機(当時5%超の株主)が毎営業日、市場内で売り始めた。12/4には19万株を市場外・1株652円で処分し、合計40万株(発行済の1.69%)で保有は6.60%→4.91%に——ただし市場がこれを知るのは12/9の変更報告書の公開時(EDINETで確認済み・下の出典参照)
- 12/9、TOPIXが+0.02%とほぼ動かない日に▼8.8%。売りの主が見えたことで下げは続き、12/17〜18に上場来安値532円(取引時間中)——初日の高値から▼69%
増幅浮動株が薄い構造
±15%が「日常」になる仕組み 業績とは無関係
- 政府系2機関(産業革新投資機構31.32%+海外交通・都市開発事業支援機構14.72%)で46%。ほかにも事業会社系の固定的な株主が並び、日々売買される株はもともと薄い
- 空売りができない銘柄(制度信用は買いのみ)なので、下げ局面で「売り方の買い戻し」という反発の起点が構造的にない。上げも下げも一方通行になりやすい
- 結果、±15%動いた日が322営業日で9回、±10%は21回。6/22の+12.1%のように、はっきりした開示がない日の急騰・急落もこの銘柄では珍しくない
- 言葉の印象で振られることもある——5/26 19時の「減資」のお知らせの翌日は▼9.1%(TOPIX▼0.5%の日)。この減資は過去の赤字を帳簿上消すための資本金の振り替え(欠損填補)で、株数も会社の財産も変わらない手続きだった
たしかめ何が生き残ったか
解体されたのは「全部うまくいく」の値段。生き残ったのはライセンス型 事実で確認
- 実害は出た——2/13、米国関税政策の影響で自動車メーカーの投資判断が慎重化し、プロジェクト型売上の期ずれで通期を下方修正(売上70億→55億円・会社開示の文言)
- ところが株価は下方修正の翌営業日に+12.9%、3営業日で+31%。悪材料はすでに559円という株価に織り込まれ、同じ開示の中の「ライセンス型は前年比2倍ペース」のほうが新情報だった
- 生き残った(むしろ加速した)のはライセンス型——2026年3月期実績で25.9億円(+121.3%)。データの利用権を継続的に提供する売上で、原価が固定的なため限界利益率が高い(会社開示の説明)
- 再構築の証拠は場中にも来た:1/15朝9:05「SUBARUの最新型アイサイトに採用(北米市場向け新型アウトバック)」の開示で、当日+17.4%(TOPIX+0.7%の日)
いまの位置
この1年4ヶ月は、初日に乗った「全部うまくいく」の値段が解体され、「ライセンス型の実績」で組み直される過程でした。5/14の本決算(修正予想比の上振れ着地+2027年3月期は調整後EBITDA黒字化予想)に市場は4営業日で+45.6%(686→999円)と応え、6/17には「フィジカルAI向けデータセット事業」の開始を発表——地図会社から「現実世界で動くAIのデータ基盤」へ看板を広げつつあります。いまの872円は底から+64%、それでも初日の高値からは▼49%。次の本物の答えは8/7(金)15:31の1Q決算——黒字化予想の初回の進捗と、ライセンス型の伸びの持続です(反応が出るのは週明け8/10)。それまでは開示のない日でも±10%動き得る、という前提で見るのが安全です。
順番に注意 — この銘柄の「知るタイミング」は3種類ある
① 決算は15:31開示→反応は翌営業日
この会社の決算は15:31(取引終了後)開示。2/13(金)の下方修正への反応+12.9%が出たのは週明け2/16(月)でした。8/7(金)の1Q決算も、株価の答えが出るのは週明け8/10(月)です。
② 大株主の売りは「あとから」わかる
三菱電機の売却は11/25に始まりましたが、市場がそれを知ったのは12/9の変更報告書(この日▼8.8%)。しかも保有が5%を下回った後は次の報告義務がなくなり、その後の動きは基本的に見えません。確認手段は将来の変更報告書と、年1回の有価証券報告書の大株主欄だけです。
③ 材料は場中にも来る
SUBARU採用の開示は朝9:05——当日そのまま+17.4%動きました。この会社はプレスリリース系の開示を朝8:30前後に出すことが多く、引け後だけ見ていると間に合わない日があります。
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会社は大丈夫なのか(決算と、その土台)
短期の値動きから離れて、会社そのものを見ます。ダイナミックマッププラットフォームは、計測車両で道路を測り誤差数cm級の「高精度3次元地図」を整備して、自動車メーカーなどに提供する会社。自動運転・運転支援(ハンズオフ走行など)の土台データで、北米150万km・全世界180万kmの道路を整備済み(2025年8月時点・会社開示)。内閣府の国家プロジェクト(SIP)の成果を実用化するため2016年に官民共同で設立された生い立ちを持ち、事業は①オートモーティブ(自動車向け地図)②3Dデータ(インフラ管理などへの応用)の2本柱。数字の出どころは決算発表(適時開示)の実数です。
売上高
56.9億
→ 来期予想 70億(+23%)
2026年3月期実績(▼23.8%)→ 2027年3月期会社予想
うちライセンス型
25.9億
前年比 +121.3%
データ利用権の継続収入。限界利益率が高い(会社開示)
調整後EBITDA
▼5.0億
→ 来期予想 +0.5億(黒字化)
下方修正後の計画(▼10億)より小さい赤字で着地
現金
36.1億
時価総額 約206億円
借入15.1億を差し引いても手元が上回る。無配
上場からの歩みと、売上の入れ替わり
- 売上の推移55.7億(+51%)→ 74.7億(+34%)→ 56.9億(▼23.8%) ── 2024年3月期→2025年3月期→2026年3月期。減収の主因はプロジェクト型(測量・整備などの受注仕事)の期ずれ。会社は「米国関税政策の影響による自動車メーカーの投資判断の慎重化等を背景に、計上時期の後ろ倒しが生じた」と説明している(2/13開示)。
- ライセンス型11.7億 → 25.9億(+121.3%) ── 同じ期間に、データの利用権を継続的に提供するライセンス型売上は倍増した。会社の説明では「売上原価は固定的なものが中心で、限界利益率が高い」——つまりこの売上が積み上がるほど、赤字は構造的に縮む。
- 2027年3月期・会社予想売上70億(+23.1%)・調整後EBITDA +0.5億円 ── 上場後はじめての「黒字化」計画(調整後EBITDAベース)。※調整後EBITDA=営業利益+減価償却費+政府補助金+M&A関連費用(会社定義)。
見かけの「減収」と、中身の「入れ替わり」を分けて読むのがこの決算のコツです。減ったのは単発の受注仕事、増えたのは毎年繰り返し入る利用料——売上の質は数字の見た目より良くなっている、というのが会社側の説明の骨子。それが本当かどうかを確かめる場所が、四半期ごとのライセンス型売上の伸び率です。
「黒字化予想」の正確な意味には注意 ── 黒字化するのは調整後EBITDA(=営業利益に減価償却費・政府補助金・M&A関連費用を足し戻した指標)です。営業利益そのものは2026年3月期で▼18.8億円の赤字で、営業黒字はまだ先の話。「黒字化」という言葉だけで飛びつかず、どの段階の利益の話かを確認するのが安全です。
知っておきたい3つのこと
- 1政府系2機関が46%を握る
産業革新投資機構(31.32%)と海外交通・都市開発事業支援機構(14.72%)。2026年3月末時点で動いた形跡はなく、安定株主として浮動株を薄くする存在である一方、いつか来る「出口」(売却)はこの銘柄の長期の需給テーマ。動きは変更報告書(EDINET)で「あとから」わかる——三菱電機の例(上の①章)がその予行演習になった。
- 2赤字だが、財務は身軽
現金36.1億円に対し借入は15.1億円(前期に36.5億円を返済済み)。自己資本比率66.2%。本業の資金収支(営業キャッシュフロー)は▼0.6億円とほぼ均衡まで改善した(前期は▼22.7億円)。注意点は現金の絶対額が1年で83.8億→36.1億円に減ったこと——主因は借入返済(差引28億円)と投資(19.1億円)で、本業の出血はほぼ止まっているのが実態。
- 3注意点
①±15%動いた日が9回——値幅に慣れていないと判断を誤る ②無配=配当が下値を支えるタイプではない ③前期にM&Aで2社(日本海測量設計・DMPコンサルタンツ)を連結し、個別決算では関係会社株式評価損も計上——グループの形が動いている途中 ④5月に「減資」を開示したが、これは過去の赤字を帳簿上消す資本金の振り替え(欠損填補)で、株数も会社の財産も変わらない。
この会社の強さを1本の鎖にすると(成立を確認する順番)
自動運転・運転支援の搭載拡大→
高精度3次元地図の採用(SUBARU北米など)→
ライセンス型売上の積み上がり→
限界利益率の高い売上構成へ→
調整後EBITDA黒字化(2027年3月期計画)
この鎖のどこかが切れると、下の「前提」が崩れます。確認の場は四半期ごとの決算のライセンス型売上(次は8/7)、採用の発表(SUBARU型の場中開示)、そして自動車メーカーの投資姿勢(関税の帰趨)です。
その数字の土台にある「前提」──これが生きている限り強さは続く
短期の上げ下げの土台にある「前提」です。この前提が生きている限り会社の強さは続き、崩れたら話が変わります。
成立条件と崩壊条件
この会社の強さが続くために必要な前提と、崩れる合図
前提 1ライセンス型
ライセンス型売上の高成長が続く(黒字化計画の心臓部)
- 前期+121.3%。黒字化への道は「限界利益率の高いこの売上が積み上がり続けること」に懸かっている
- 崩れるサイン:四半期決算でライセンス型の伸びが鈍る/大口先の契約縮小・解約が開示される
前提 2自動車メーカーの投資
「期ずれ」が「消失」に変わらない
- プロジェクト型の下振れは、会社の説明では中止ではなく「計上時期の後ろ倒し」。関税環境次第でここは戻り得る
- 崩れるサイン:再度の期ずれ・下方修正/自動車メーカーの投資削減が相次ぐ報道
前提 3資金
現金36.1億円が黒字化まで持つ
- 営業キャッシュフローは▼0.6億円とほぼ均衡。この状態が保てるなら手元資金の心配は当面小さい
- 崩れるサイン:営業キャッシュフローの赤字が再拡大する/大型の資金調達(=株式の希薄化)が発表される
遠い脅威技術の代替
いちばん怖いのは「地図がいらない自動運転」
- カメラとAIだけで走る「地図レス」方式が主流になれば、高精度地図の需要前提そのものが揺らぐ。この論争はまだ決着していない
- 会社は「フィジカルAI(現実世界で動くAI)のデータ基盤」へ事業の看板を広げる戦略で応じている——6/17のデータセット事業開始はその一手。この転換が売上になるかは、これからの答え合わせ
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いまの株価は割高か、割安か(ものさしはライセンス型売上)
赤字なのでPER(利益の何倍か)は使えません。代わりの補助線は「時価総額がライセンス型売上(毎年繰り返し入るタイプの売上・年額)の何倍か」。数字が大きいほど、期待が多く乗っている状態です。
時価総額÷ライセンス型売上の推移(実績ベース・日次)
2025-05 → 2026-07-21
計算:その日の終値×発行済株式数(2,362万株) ÷ 直近の本決算で公表済みのライセンス型売上(年額)。引け後の開示は翌営業日から反映——2025/5/14の本決算(11.7億円)は5/15から、2026/5/14の本決算(25.9億円)は5/15から分母に適用。
いま
7.9倍
2026-07-21(時価総額206億円 ÷ 25.9億円)
戻り高値の頃(2025年5月)
31倍前後
株価1,549円・期待がまだ厚かった頃
12月の底
10.9倍
株価540円(12/17終値)。当時の分母は11.7億円
読み方 ── 面白いのは、株価が底から+64%戻したのに、この倍率は底の頃(10.9倍)より低い7.9倍だということ。分母のライセンス型売上が+121%と、株価より速く伸びたからです。「値段が上がった」ではなく「値段の上げがライセンス型の伸びにまだ追いついていない」のが数字の形——ただしこの読みには前提があり、ライセンス型の高成長が続くことが条件です。また売上全体の55%はまだプロジェクト型(期ずれ中の受注仕事)で、売上全体で測ると時価総額は約3.6倍。どちらのものさしで測るかが、そのまま強気と弱気の分岐になっています。
いまの株価に織り込まれている前提
いまの872円(ライセンス型売上の7.9倍)は、「ライセンス型の高成長が続き、2027年3月期に調整後EBITDA黒字化を達成する」という会社計画をおおむね信じた値段です。前提のくわしい中身は上の②で見た3つ。
崩れる合図──8/7の1Q決算でライセンス型の伸びが鈍る/黒字化計画が後退する/大株主の売却を示す変更報告書が出る。どれかが出たら、このページの見立ては見直しです。
4
テクニカルと需給の現在地
下値の目安・移動平均線をチャートに示しました。
下値の目安とサイン(日足75本)
〜2026-07-21
↓印=窓開け(前日から飛んで下げた日)。縦軸=株価(円)・横軸=日付。線の意味は下の説明と色で対応。
━ 赤い点線=直近の安値 827円(7/21・取引時間中)決算待ちのもみ合いの下端。ここを終値で割ると「切り上げの形」が崩れるサイン
━ 青い線=25日線(837円)872円はこの線のすぐ上。5月の急伸以降、株価は25日線を挟んだ攻防が続いており、線の上で決算を迎えられるかが目先の焦点
━ 灰色の点線=6月の調整の底 735円(6/26・取引時間中)999円からの調整(▼26%)が止まった場所。827円を割った場合の次の節
↓印=窓を開けた下落(6/8・6/26)6/26は窓を開けて下げた当日に735円で止まり、そこから切り返した——調整の最終局面によく見られる形
75日・200日線も株価の下=中期の切り上げ構造は維持75日線798円・200日線768円。12月の底以降、「安値を切り上げる」形は続いている(フル指標版で確認できます)
1日の平均値幅(ATR)=6.0%大型株の3〜5倍。この銘柄の「±3%」は他の銘柄の「±1%」くらいの日常。値幅に慣れていないと判断を誤りやすい
上の節=7月の戻り高値950円(7/16・取引時間中)と5月の999円950円を超えると5月高値999円・1,023円(5/26・取引時間中)が視野に。上場来高値1,706円はそのさらに+67%上で、まだ遠い
信用残の1年
信用買い残(あとで売る予約)の推移。この銘柄は空売りができないため売り残はほぼゼロ
信用残(週次)と売買代金
2025-07 → 2026-07-10
左目盛:万株(線)。下の棒:1日の売買代金(億円)。信用残は週1回の公表。
━ 赤い線=信用買い残(あとで売る予約)108万株(7/10時点)=発行済の4.6%・直近の出来高の約3.4日分。小型株としては重めで、上値で「やれやれ売り」の素になりやすい。6月中旬の118万株からは減少傾向
━ 青い線=信用売り残ほぼゼロ。制度信用で空売りができない銘柄のため。下げ局面で「売り方の買い戻し」という機械的な買いが入らない=下げが一方通行になりやすい構造
棒グラフ=売買代金1日2〜3億円規模(直近20日平均2.7億円)。日本の大型株の数千分の一の薄さで、まとまった注文が入るだけで±10%動く——±15%が9回という乱高下の正体はこの薄さ
まとめ ── 需給は「薄くて、偏っている」。政府系46%が動かない分、実際に売買できる株はさらに少なく、買い残3.4日分の重さと空売り不在の一方通行性が、±15%の乱高下を生んでいます。全体の結論は最終章「総合判断」へ。
5
総合判断と、今後の注目点
ここまでの整理 ── ファンダメンタルズ:売上の中身がライセンス型(+121%)へ入れ替わり中で、会社は2027年3月期に調整後EBITDA黒字化を予想。答え合わせの初回が8/7の1Q決算/需給:政府系46%で浮動株が薄く、買い残3.4日分・空売り不在の一方通行構造/テクニカル:12月の底から安値切り上げが続き、25日線のすぐ上で決算待ち。そのうえで、上と下、両方の「確認のサイン」を置いておきます。
✅ 回復が「本物」と確認できるサイン(上向き)
- 8/7の1Q決算(15:31開示→反応は週明け8/10)で、ライセンス型売上の伸びが四半期ベースでも続いている
- 調整後EBITDA黒字化(2027年3月期計画)が維持または前倒しで語られる
- 直近の安値827円(7/21)を割らずに決算を迎える(安値切り上げの形の維持)
- 7月の戻り高値950円(7/16・取引時間中)超え——5月高値999円への再挑戦の入口
- SUBARU型の採用発表が続く(この会社の採用IRは朝8:30〜9時台の場中反応に注意)
⚠ 調整・警戒のサイン(下向き)
- 1Qでライセンス型の伸びが鈍る(この銘柄の物差しの心臓部)
- 黒字化計画の後退・プロジェクト型の再度の期ずれ(=「消失」への変質懸念)
- 大株主の売却を示す変更報告書がEDINETに出る(三菱電機の12月の再現。政府系の「出口」は最大の需給テーマ)
- 827円を終値で割り込む——次の節は735円(6/26)
- 大型の資金調達(株式の希薄化)の発表
📅 次に見るカレンダー
- 7/24:日本CPI(消費者物価)——市場全体の地合い
- 7/30〜31:FOMC+日銀会合——グロース小型株の地合いは金利に敏感
- 8/7:1Q決算(15:31開示・会社の開示で確認済み)+16時から説明会——ライセンス型の伸びと黒字化計画の進捗。この銘柄の最重要イベント。米雇用統計と同じ日で、株価の反応は週明け8/10
- 毎週:信用残の公表(買い残の増減=上値の重さの変化)
- 随時:採用・提携の朝開示(8:30〜9時台)/EDINETの変更報告書(大株主の動き)
🧾 ニュースの見立てと答え合わせ — ダイナミックマッププラットフォーム(336A)
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出典・参考資料
このページの「なぜ」は、以下の適時開示・法定開示と市場データをもとに、アルミナが整理・解釈したものです。
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ダイナミックマッププラットフォームの開示(一次情報)
- 2026/5/14 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)──実績(売上56.9億・ライセンス型25.9億[+121.3%]・調整後EBITDA▼5.0億・営業▼18.8億・純損▼17.0億・現金36.1億)・2027年3月期予想(売上70億・調整後EBITDA+0.5億)・無配・発行済株式数2,362万株の出典。ライセンス型売上の性質(限界利益率が高い)と調整後EBITDAの定義も同短信の注記
- 2026/2/13 2026年3月期通期業績予想の修正に関するお知らせ──売上70億→55億・調整後EBITDA▼5億→▼10億。「米国関税政策の影響による自動車メーカーの投資判断の慎重化等」「計上時期の後ろ倒し」の文言の出典
- 2025/11/13 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信──中間売上24.5億円(+9.0%)の出典
- 2026/1/15 9:05 SUBARUの最新型アイサイトに高精度3次元地図データが採用(北米市場向け)──場中開示・当日+17.4%の材料
- 2026/6/17 フィジカルAI向けデータセット事業を始動──高精度3次元データを統合したAIネイティブデータのサンプル公開
- 2026/5/26 19:00 資本金の額の減少(減資)に関するお知らせ──欠損填補目的の資本金振り替え(株数・財産は不変)の出典
- 2026/7/7 機関投資家・アナリスト向け 2027年3月期第1四半期決算説明会開催のご案内──1Q決算発表=2026年8月7日(金)15:31予定・説明会同日16:00の出典
- 2026/6/24 有価証券報告書(第10期)──大株主の状況(産業革新投資機構31.32%・海外交通・都市開発事業支援機構14.72%・三菱電機の変更報告書に関する注記)・IPO時の発行価格1,200円(資本金推移の注記)・沿革(2016年設立・SIP・全世界180万km)・借入金残高の出典
- 2025/12/9 変更報告書(大量保有報告・提出者:三菱電機・EDINET書類番号S100X8W8)──保有6.60%→4.91%・11/25〜12/3に市場内で計21万株・12/4に19万株を市場外(1株652円)で処分、の出典。処分明細は同報告書の「最近60日間の取得又は処分の状況」欄
- ダイナミックマッププラットフォーム 公式サイト(決算短信・説明資料の原本は公式サイトのIR・ニュースページから)
データの出典
- 株価・出来高・売買代金・信用残・TOPIX:証券取引所が公表する市場データ・各社の決算資料をもとにアルミナが整備したデータベース
- 時価総額÷ライセンス型売上・移動平均・平均値幅(ATR)・±15%の日数等:上記データからアルミナが算出(計算方法は各章に記載)。時価総額は発行済株式数2,362万株(自己株式なし・2026年3月末)×終値で計算
- 上場初日の値動き(公開価格1,200円・初値1,530円・高値1,706円):公開価格は有価証券報告書の資本金推移注記、初値・高値は取引所の株価データ
- 「初日の時点でライセンス型は年10億円前後」:2026年3月期決算短信に記載の2025年3月期実績11.7億円(前年比+17.8%)からの逆算値(2024年3月期単体の開示数値ではありません)
決算数値は適時開示の実数(日本基準)。会社予想は2026/5/14公表の2027年3月期予想で、進捗は8/7の1Q決算で確認できます。