ALUMINA MORNING2026-09-28(月)当日更新読了 約5分
- NYダウ前日比+478.6451,828.629/25
- ナスダック前日比+129.3527,068.729/25
- SOX指数前日比+176.3912,668.939/25
- 日経225先物66,015円9/28 15:05時点・途中値
- ドル円更新待ち—
- 米10年債前日比+0.022ポイント5.184%9/25
- 日本10年債前日比-0.002ポイント3.071%9/25
- TOPIX前日比+53.294,128.599/25
- 東証グロース市場指数前日比-8.841,022.599/25
- WTI原油94.38ドル9/28 15:05時点・途中値
途中値は終値ではありません。
今朝の一本
原油反発が現実化、サービス価格も3.7%上昇
日本株環境:△ 海外株高は支えだが、原油反発と高金利が企業利益の重荷となる環境。
米国株は25日に上昇した一方、米10年債利回りは5.184%と高く、高PER株の評価には負担が残る。ドル円は更新待ちであり、現時点の地合い判断には反映していない。
WTI原油は15時05分時点の途中値で94.38ドルとなった。日経225先物も同時点の途中値であり、東京市場の終値としては扱えない。
昨日から変わったこと
- 原油供給不安が実際の価格上昇へ移った
前日号の時点では、米国によるイラン提案の拒否が週末の出来事だったため、市場反応は未確認だった。ロイターによると、9月28日00時36分GMT時点でブレント原油は1.27%、WTI原油は0.76%上昇し、外交進展への期待後退が価格に反映された。ロイター記事
価格変動の全てを外交要因だけで説明することはできないが、日本株への経路は明確である。資源開発には販売価格面の追い風となる一方、空運、陸運、化学などには燃料・原料費の増加要因となる。
- サービス価格は3.7%上昇、主因は国際運輸
日銀が28日に公表した8月の企業向けサービス価格指数は前年比3.7%上昇し、7月の3.6%から伸びが拡大した。外航貨物輸送は74.2%、国際運輸全体は63.6%上昇した一方、国際運輸を除く総平均は3.2%で7月から横ばいだった。日本銀行PDF
国内サービス全体の値上げが急加速したというより、海上輸送費の上昇が総平均を押し上げた構図である。ただし、高人件費率サービスも2.8%上昇しており、賃金転嫁は継続している。
- 7月の日銀会合で早期利上げ論が既に表面化
28日公表の7月会合議事要旨では、1人の委員が政策金利を1.25%程度へ引き上げる案を提出していた。多くの委員は、基調的な物価上昇率を2%程度に定着させる方向へ政策判断が徐々にシフトしているとの認識を示した。これとは別に、一人の委員は、政策の焦点が基調的な物価上昇率の更なる上振れの回避へ変化したと述べた。日本銀行PDF
日銀は9月18日に政策金利を1.25%程度へ引き上げており、7月議事要旨は新たな政策変更ではない。日本銀行PDF ただし、原油高とサービス価格上昇が続けば、次の政策判断でも物価の上振れリスクが重視される可能性を補強する。
①最重要テーマ
原油反発が利益と金利の両面から日本企業を圧迫
最重要点は、週末まで仮説だった原油反発が、28日の市場で確認されたことである。原油高は資源会社の売上単価を押し上げる一方、輸入国である日本では、燃料、電力、物流、化学原料のコストを通じて幅広い企業の利益率を圧迫する。
短期では、在庫取得費や燃油費が先に上がり、運賃や製品価格への転嫁が遅れる企業ほど負担が大きい。さらに物価上昇が長引けば、日銀の追加利上げ観測や長期金利の上昇を通じ、借入金利と株式評価の両方へ波及する。
中長期の成立条件は、原油高と輸送制約の継続である。反対材料として、ロイターがKplerの速報推計として報じたところでは、中東主要産油国からの9月の原油輸出量は日量1,280万バレルへ回復し、ホルムズ海峡経由の輸送量も同月に日量約740万バレルへ増える見通しである。ロイター記事 停戦交渉、通航量、タンカー運賃、保険料が改善すれば、現在の価格上昇は持続しない可能性がある。
したがって、原油価格だけでなく、実際の通航量と企業の価格転嫁率を照合する必要がある。価格が高止まりしても円高が進めば円建て輸入費は抑えられ、逆に円安へ戻れば負担は増幅する。
②日本株への翻訳
- 資源開発:追い風、販売価格上昇と生産継続が条件
原油高は売上単価を押し上げる。ただし、産油地域の操業停止、輸送障害、現地通貨・税制の変化が起きれば、価格上昇がそのまま利益増加にはならない。
- 空運:逆風、燃油高が運賃転嫁とヘッジ効果を上回る場合
航空燃料価格の上昇は直接的なコスト増となる。燃油サーチャージ、運賃改定、ヘッジで吸収できれば影響は縮小するが、価格転嫁による需要減少にも注意が必要である。
- 化学・陸運:逆風、原料・燃料費の転嫁遅れが条件
ナフサ、軽油、電力、物流費が上昇すると利益率を圧迫する。製品価格や運賃を速やかに改定できる企業では、影響を限定できる。
- 海運:中立、運賃上昇と燃料・運航リスクの綱引き
航路制約による船腹需給の引き締まりは運賃に追い風となり得る一方、燃料費、保険料、迂回航行はコストを増やす。契約形態と航路構成で影響が分かれる。
- 銀行:中立、利ざや改善が信用費用を上回ることが条件
国内金利上昇は資金利益を押し上げやすいが、企業収益の悪化による信用費用や保有債券の評価負担を伴う。原油高を銀行への一方向の追い風とは評価できない。
- AI・半導体関連:中立、需要成長と金利負担の比較が必要
日銀はAI関連需要が輸出、設備投資、電源設備へ広がっていると認識している一方、投資に見合う収益が実現しなければ調整圧力が生じるとも指摘した。日本銀行PDF 本日の情報だけで個社受注の増加は確認できない。
③関係の深い代表銘柄
INPEX(1605)
原油価格上昇の直接的な恩恵を受けやすい。会社は、油価が1バレル当たり1ドル変動すると2026年12月期の損益が年間55億円増減するとの期初試算を示している。INPEX資料 実際の影響は販売時期、天然ガス価格、為替、税負担で変わるため、短期の価格上昇をそのまま通期利益へ置き換えることはできない。
ANAホールディングス(9202)
燃油高の逆風を受ける代表例である。第1四半期は燃油市況と円安により燃油費が増え、中東情勢による収支悪化を320億円と説明した。一方、ヘッジ、運賃・燃油サーチャージ、需要獲得によって影響を圧縮している。ANAホールディングスPDF 原油高の継続期間と価格転嫁後の旅客需要が確認点となる。
三井住友フィナンシャルグループ(8316)
金利上昇は国内資金利益に追い風となり得る。同社は2025年11月の資料で、2025年9月末の円貨バランスシートを前提に、政策金利0.25%上昇当たり資金利益に年1,000億円のプラス影響があるとの当時の試算を示した。三井住友フィナンシャルグループPDF 現在も同じ感応度が有効とは限らず、原油高による借り手の業績悪化、預金金利上昇、債券損益を含めた確認が必要である。
④その他の重要ニュース
AI・半導体、防衛、宇宙、サイバーでは、本稿で取り上げる業績影響の大きい新規材料は確認できない。既知の政策や会社説明を新しい材料として扱わず、継続監視とする。
⑤確認すべき指標・予定
- 9月29日23:00
米8月求人・労働異動調査
求人が強ければ米国需要を支える一方、賃金と米金利の上昇要因となる。求人減少なら金利には低下要因だが、景気敏感株には需要減速を示す。米労働統計局資料
- 9月30日21:30
米8月個人所得・消費支出
消費と物価がともに強ければ企業売上にはプラスでも、米金利を押し上げやすい。物価鈍化と消費減速が同時に進む場合は、金利負担の軽減と需要悪化を分けて判断する。米商務省経済分析局資料
- 10月1日08:50
日銀短観・9月会合の主な意見
短観では設備投資、販売価格判断、想定為替レートを確認する。主な意見では、1.25%への利上げ後も追加調整を急ぐ意見がどの程度あるか、中東情勢とサービス価格をどう評価しているかが焦点となる。日本銀行資料
出典・参照した報道(12本)
数字は各報道機関の記事に拠ります。株価・指数のチャートはTradingViewでご確認ください。本ページは投資助言ではなく、個別の売買推奨は行いません。