Alumina モーニングブリーフィング
AI投資の恩恵がHDDと通信機器へ。Seagate売上61%増、Celesticaは来年90%増収を予想
- 🇺🇸 NASDAQ総合前営業日比🟢 +308.43(+1.18%)26,477.81
- 🇺🇸 S&P500前営業日比🟢 +45.83(+0.60%)7,722.60
- 🇺🇸 NYダウ前営業日比🟢 +15.99(+0.03%)52,377.57
- 🇯🇵 日経平均前営業日比🟢 +1,078.72円(+1.73%)63,268.37円
- 🇯🇵 TOPIX前営業日比🟢 +24.39(+0.61%)3,997.37
- 💱 ドル円前営業日比+0.28%(ドル高・円安)157.94円
- 🇺🇸 米10年国債利回り前営業日比+0.0128ポイント4.999%
- 🇯🇵 日本10年国債利回り前営業日比+0.007ポイント2.795%
- 🛢 Brent原油前営業日比🔴 −1.93ドル(−1.67%)113.88ドル
※情報基準の7:35は元原稿の基準時刻です。出典は10月28日8:19・8:30(日本時間)に追加照合しました。これは、為替・米国債などすべての数値について7:35時点の保存版を確認したという意味ではありません。
今朝の結論
AI関連企業の好業績が、GPU以外にも広がっている。注目したいのは、データを保存するHDDと、データセンターをつなぐ通信設備だ。
日本時間の今朝、米Seagate Technologyが決算を発表した。
2026年10月2日までの四半期の売上高は42.33億ドル、前年同期比61%増。営業利益率は26.4%から48.8%へ改善した。
フリーキャッシュフローも約15億ドルに達している。 (investors.seagate.com) さらに、26日に決算を発表したAIインフラ製造大手Celesticaは、2027年の売上高を400億ドルと予想した。
2026年の会社予想210億ドルから、約90%の増収を見込んでいる。 (Celestica Inc.) 重要なのは、この二つの企業がNVIDIAのようなGPUメーカーではないことだ。
Seagateはデータを保存するHDD、Celesticaはデータセンター向けの通信・計算機器などを扱っている。
つまり、AI関連のインフラ需要が、半導体以外の企業にも具体的な売上として届いている。
ただし、AIだけが増収の理由とは限らない。また、Celesticaの2027年売上高400億ドルは会社予想であり、確定した受注残高ではない。
今日の日本株では、この需要拡大がHDD部品、光通信、半導体検査装置などへどこまで広がるかを確認したい。
日本株の地合い:△ 中立・やや強気
○ 米国のハイテク株が上昇。 NASDAQは1.18%高。米国では半導体関連株も買われ、東京市場でもAI関連株の一部に追い風となる可能性。
○ 日本株も前日に反発。 日経平均は1,079円高。アドバンテストは約9%上昇し、半導体関連の値がさ株が指数を押し上げた。
△ 金融政策と原油高には注意。 日銀の企業向けサービス価格は前年比3.7%上昇。今夜から明朝にかけて米国の金融政策と大型IT企業決算が集中する。
今朝の判断:△。短期的には上向きだが、株式市場全体の上昇よりも、AI関連の一部大型株が強い状況と考えたい。
MARKET DASHBOARD — 確認済み市場指標
| 指標 | 最新確認値 | 前営業日比 |
|---|---|---|
| 🇺🇸 NASDAQ総合 | 26,477.81 | 🟢 +308.43(+1.18%) |
| 🇺🇸 S&P500 | 7,722.60 | 🟢 +45.83(+0.60%) |
| 🇺🇸 NYダウ | 52,377.57 | 🟢 +15.99(+0.03%) |
| 🇯🇵 日経平均 | 63,268.37円 | 🟢 +1,078.72円(+1.73%) |
| 🇯🇵 TOPIX | 3,997.37 | 🟢 +24.39(+0.61%) |
| 💱 ドル円 | 157.94円 | +0.28%(ドル高・円安) |
| 🇺🇸 米10年国債利回り | 4.999% | +0.0128ポイント |
| 🇯🇵 日本10年国債利回り | 2.795% | +0.007ポイント |
| 🛢 Brent原油 | 113.88ドル | 🔴 −1.93ドル(−1.67%) |
基準日時: 米国株は10月27日の通常取引終値、日本株も27日の東京市場終値。Brentは27日の先物清算値。
ドル円と米10年債利回りは、Reutersが27日の米国市場について報じた観測値。為替には統一された公式終値がない。日本10年債はInvesting.comの日次系列で、10月26日との比較。
Seagateの決算は27日の米国株式市場が終了した後に発表された。その内容は、上記NASDAQの終値には反映されていない。 (Reuters)
昨夜の米国市場:上昇は半導体だけではない
27日の米国市場では、NASDAQが1.18%上昇した。
ニューヨーク証券取引所では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数の約1.83倍。
NASDAQ市場でも、値上がり3,118銘柄に対して値下がり1,680銘柄だった。
米国市場では買いが広がったことが確認できる。 (Reuters) 一方、日本市場では日経平均の上昇率1.73%に対して、TOPIXは0.61%高。
日本株の反発は、米国市場ほど均等に広がっていない可能性がある。
①何が起きたか
Seagate:HDDメーカーの売上が61%増加
10月27日、Seagateは2027会計年度第1四半期決算を発表した。
対象期間は2026年10月2日までの四半期だ。
Seagateの決算
| 指標 | 今回実績 | 前年同期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 42.33億ドル | 26.29億ドル |
| 売上高成長率 | +61.0% | — |
| GAAP粗利益率 | 57.3% | 39.4% |
| GAAP営業利益率 | 48.8% | 26.4% |
| 調整後EPS | 7.68ドル | 2.61ドル |
| 営業CF | 約17億ドル | — |
| フリーCF | 約15億ドル | — |
出典:Seagate公式決算。調整後EPSとフリーキャッシュフローは非GAAP指標。 (investors.seagate.com) 今回、特に重要なのは粗利益率の改善だ。
前年同期は39.4%だった。
それが57.3%へ上昇している。
17.9ポイントもの改善だ。
つまり、売上が増えただけではなく、売上100ドルに対して残る粗利益が約39ドルから57ドルへ増加したことになる。
次の四半期も増収を見込む
Seagateは次四半期の売上高を48億ドル±1億ドルと予想している。
今回実績42.33億ドルと比較すると、中央値では約13.4%の前四半期比増収だ。 (investors.seagate.com) 会社は、データの生成・保存・再利用の増加に加え、大容量HDDの技術進歩と価格戦略を好業績の背景として説明している。
Celestica:2027年売上予想は前年比90%増
もう一つ注目したいのが、26日に発表されたCelesticaの決算だ。
同社はデータセンター向けの通信機器や計算機器の設計・製造などを手がけている。
2026年7〜9月期決算
| 指標 | 実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 58.3億ドル | +83% |
| 調整後EPS | 3.30ドル | +109% |
| 調整後営業利益率 | 8.5% | +0.9ポイント |
| 通信・クラウド部門売上 | 48.7億ドル | +102% |
会社公表資料による。調整後指標は非GAAP。 (Celestica Inc.) 会社の従来ガイダンスは、売上高52.5億〜55.5億ドル、調整後EPS2.88〜3.08ドルだった。
今回の実績は、いずれも会社予想の上限を上回っている。
ただし、GAAP営業利益率は前年同期10.2%から7.9%へ低下している。調整後利益率の改善だけを見て、すべての収益性指標が改善したと解釈しないことも重要だ。
来年は売上高400億ドルを予想
Celesticaが示した2027年の見通しは次のとおり。
| 指標 | 2027年会社予想 |
|---|---|
| 売上高 | 400億ドル |
| 2026年会社予想比 | 約+90% |
| 調整後EPS | 21.50ドル |
| 調整後営業利益率 | 9.0% |
| 設備投資 | 15億〜20億ドル |
会社公式IRによる。 (Celestica Inc.) これは非常に強い成長見通しだ。
一方、会社は2026年のフリーキャッシュフロー予想を6億ドルから4.6億ドルへ引き下げた。
主な理由として、2027年の事業拡大に備えた運転資金の増加を挙げている。
つまり、売上と利益の成長期待は強いが、その準備のために先に現金が必要になっている。 (Celestica Inc.) この点は、AIインフラ投資の持続性を考えるうえで見逃せない。
②なぜ重要か
AIデータセンターは、GPUを買うだけでは動かない
AI関連の設備投資というと、NVIDIAのGPUが注目されやすい。
しかし、GPUだけを購入してもAIサービスは運営できない。
大量のデータを保存する必要がある。
計算機同士を高速につなぐ必要がある。
電力を供給し、発生した熱を冷却する必要がある。
そのため、AI関連のインフラ需要は、複数の産業に広がる。
AI設備投資が広がる仕組み
AIサービスの利用が増える
↓
計算処理とデータ保存の需要が増える
↓
GPU・サーバー・ストレージ・通信機器が必要になる
↓
それぞれのメーカーが生産能力を増やす
↓
製造装置・電子部品・光通信・電力設備にも需要が生まれる
今回のSeagateとCelesticaの決算は、この経路の一部が実際の売上成長として現れていることを示す。
ただし、データ保存需要のすべてがAI由来ではない。
動画、クラウドサービス、企業のバックアップなども、HDD需要を増やす要因になる。
今回の売上増加をすべてAIだけで説明することはできない。
HDDが重要になる理由
AIというと、HBMやDRAM、NAND型フラッシュメモリーが話題になりやすい。
しかし、大量のデータを比較的低いコストで保存する用途では、HDDも重要な役割を担う。
例えば、生成AIの学習データや企業が保存する大量の映像・文書などでは、すべてのデータに最高速の記憶装置が必要なわけではない。
処理速度を重視する部分ではSSDなどが使われる。
一方、大容量を低コストで保存したい部分ではHDDが選ばれることがある。
そのため、AI関連インフラが拡大しても、HDDが直ちに不要になるわけではない。
ただし、HDDとSSDは用途によって代替関係にもなるため、双方の需要が必ず同じ速度で増えるとは限らない。
③構造変化と因果関係
今回の焦点は「売れた数量」と「販売価格」の違い
Seagateの売上は61%増えた。
しかし、この数字だけでは、HDDの販売台数が61%増えたとは分からない。
売上高は、基本的には販売数量と販売単価によって決まる。
HDDの場合はさらに、1台当たりの容量や製品構成が重要になる。
例えば、同じ1台のHDDでも、容量が増えれば、顧客が保存できるデータ量は増える。
メーカー側は大容量化を進めることで、1台当たりの販売価値を高められる可能性がある。
Seagateは、HAMRと呼ばれる熱アシスト磁気記録技術による記録密度の向上を進めている。
また、会社は供給を慎重に管理しながら、製品価値に応じた価格戦略を続ける方針を示している。 (investors.seagate.com)
利益率が改善する経路
大容量HDDへの需要が増える
↓
高付加価値製品の販売比率が高まる
↓
販売単価や製品構成が改善する
↓
製造費用の増加を上回る売上総利益が生まれる
↓
営業利益率が上昇する可能性
今回のSeagate決算は、この構造と整合的だ。
ただし、実際の利益率改善を数量・価格・製品構成に何%ずつ分解できるかは、今回確認した資料だけでは特定できない。
設備を供給する企業と、設備を使う企業では現金の流れが違う
Celesticaは売上成長に備え、運転資金を増やしている。
これは、部品や在庫を確保し、生産能力を準備する必要があるためだ。
一方、Seagateは約15億ドルのフリーキャッシュフローを生み、負債の返済も進めた。
同じAI関連インフラ企業でも、現金の使い方が異なる。
| 企業 | 今回確認できた特徴 |
|---|---|
| Seagate | 高い利益率と現金創出力 |
| Celestica | 強い増収と将来の生産拡大に向けた資金需要 |
| 大型IT企業 | 設備を購入し、その設備を使って将来の収益を得る |
ここで重要なのは、AI需要が強いことと、関連企業がすべて同じ財務状態になることは別だという点だ。
④関連企業の決算・業績への影響
TDK:HDD市場の成長が、すでに数量として確認されている
日本企業で今回のSeagate決算と特に事業上の関係が深いのは、TDK(6762)だ。
TDKはHDD用の磁気ヘッドやサスペンションなどを手がけている。
2026年3月期の決算説明では、磁気応用製品事業の売上高が2,629億円、前期比17.6%増となった。
営業利益は270億円で、前期の約8倍へ増加した。
さらに、データセンター向けニアラインHDDの販売数量は、ヘッドで約14%、サスペンションで約35%増えたと説明している。 (TDK)
2027年3月期も数量拡大を見込む
TDKは4月28日の決算説明時点で、2027年3月期について、ニアラインHDD用ヘッドの販売数量を約50%増、サスペンションを約22%増と見込んでいる。
磁気応用製品事業全体の売上成長率は21〜24%を想定している。 (TDK) これは、HDD市場の需要拡大が日本企業の販売数量にも届いていることを示す具体的な材料だ。
ただし、Seagateの今回の増収61%を、そのままTDKの増収率へ当てはめることはできない。
Seagateは自社で磁気ヘッドも製造しており、今回の決算からTDKへの直接発注増加が確認されたわけではない。
TDKを見る場合には、ニアラインHDD向けの実際の出荷数量、製品構成、利益率を確認する必要がある。
Celestica:市場の期待と会社予想を分ける
Celesticaの2027年売上予想400億ドルは非常に大きい。
26日のDow Jones報道で示された市場予想には、約360.7億ドルという集計値があった。
これと比較すると、会社予想は約10.9%上回る。 (マーケットスクリーナー) ただし、この400億ドルは将来の会社見通しだ。
販売先の投資計画が変われば、実際の売上高は予想を下回る可能性がある。
さらに、会社が2027年に計画している設備投資は15億〜20億ドル。
生産能力を増やすための支出が先行する。
将来の需要予想が強いことと、投資に必要な現金がすでに回収されたことは別問題だ。
アドバンテスト:今日の決算が重要
今日、日本の半導体関連で最も注目したい企業決算の一つが、アドバンテスト(6857)だ。
同社は本日10月28日15時30分に2027年3月期第2四半期決算を発表する予定と公式IRで案内している。 (ADVANTEST CORPORATION) 今回のSeagate決算はHDD市場の需要を示す材料だが、それだけでアドバンテストの検査装置の受注増加が証明されたわけではない。
アドバンテストについては、AI向け半導体の検査需要、売上総利益率、受注見通し、通期業績予想を確認する必要がある。
本日の決算内容は、今朝7:35の時点では未発表であり、評価には含めない。
⑤日本株・関連銘柄へのプラス/マイナス影響
| 銘柄 | プラスになり得る経路 | 注意点 |
|---|---|---|
| TDK(6762) | ニアラインHDD用ヘッド・サスペンション需要 | 顧客構成、販売数量、製品単価 |
| ニデック(6594) | HDD用モーター関連需要 | データセンター向け製品構成と採用状況 |
| フジクラ(5803) | データセンター向け光通信需要 | 顧客の投資計画、設備増強費用 |
| 古河電工(5801) | 光ファイバー・通信関連需要 | 製品別の販売数量、価格 |
| アドバンテスト(6857) | AI半導体の検査需要 | 今日の決算、将来の受注 |
| 東京エレクトロン(8035) | 半導体メーカーの生産能力増強 | 設備投資の延期、輸出規制 |
| キオクシアHD(285A) | データセンター向けSSD・NAND需要 | HDDとの用途競争、NAND価格 |
| ディスコ(6146) | 先端半導体の加工需要 | 顧客の生産計画、利益率 |
※各社の事業構造に基づく分析であり、本日の株価予想ではない。
特に注意したいのはTDKとキオクシアの違い
Seagateの好決算を日本株へ結び付ける場合、TDKとキオクシアでは事業上の関係が異なる。
TDKはHDD関連部品を供給している。
一方、キオクシアはNAND型フラッシュメモリーを製造している。
どちらもデータ保存に関係するが、同じ製品を販売しているわけではない。
そのため、SeagateのHDD需要が強いという理由だけで、キオクシアのNAND販売数量や販売単価が上昇すると判断することはできない。
むしろ、データ保存市場全体が拡大する中で、HDDとSSDがどの用途を獲得するかを確認する必要がある。
光通信関連は、別の需要経路
Seagateの売上増加はストレージ需要の強さを示している。
一方、Celesticaの好決算は、データセンターで使う通信・計算機器への需要が強いことを示す。
フジクラや古河電工への波及を考える場合には、こちらの経路が重要になる。
データセンター建設が増える
↓
通信機器やネットワーク設備が必要になる
↓
光ファイバーなどの需要が生まれる
↓
国内光通信関連企業へ販売機会
ただし、今回のCelestica決算から、フジクラや古河電工への新規直接受注が確認されたわけではない。
⑥市場がまだ織り込んでいない可能性
注目仮説:AI関連の成長がGPU以外へ広がることで、日本の部品・設備企業の利益成長が続く可能性
今回、検証したい仮説は一つだ。
AI投資の採算性が警戒されていても、データ保存・通信・電力・製造設備といった周辺分野では、想定以上に強い需要が続く可能性がある。
Seagateは売上61%増、Celesticaは83%増だった。
これは、少なくとも両社が担当する市場で需要が強いことを示している。
ただし、現在の日本株の評価額が、この成長をどこまで織り込んでいるかは確認できていない。
さらに、両社の成長をそのまま業界全体の成長率として扱うこともできない。
仮説を支持する条件
| 今後確認する変化 | 意味 |
|---|---|
| 大容量HDDの出荷数量が増える | データ保存需要の拡大 |
| HDDメーカーの販売単価・利益率が維持 | 高付加価値化や需給改善が継続 |
| 光通信企業の受注が増える | データセンター投資が通信設備へ波及 |
| TDKのHDD関連数量予想が維持・上方修正 | 日本企業への実需波及 |
| 大手IT企業が設備投資計画を維持 | 関連機器の将来需要を支える |
| 関連企業のFCFが改善 | 成長が現金創出につながっている |
仮説が崩れる条件
大手IT企業がAI設備投資を大きく削減する場合。
データセンターの新設計画が延期される場合。
HDDメーカーが供給能力を増やしすぎて販売価格が下落する場合。
さらに、ストレージや通信機器の出荷数量が増えても利益率が低下すれば、売上成長が株主利益へ十分につながらない可能性がある。
需要の強さを示す決算が出たことと、関連株が現在の株価で割安になったことは別だ。
⑦本日確認すべき指標・予定
今日の焦点はアドバンテスト決算。その後、米金融政策と大型IT決算
| 日本時間 | 予定 | 確認すること |
|---|---|---|
| 10/28(水)9:00 | 東京株式市場開始 | 米国株高とSeagate決算への反応 |
| 10/28(水)15:30 | アドバンテスト決算 | AI検査需要、利益率、通期見通し |
| 10/29(木)早朝 | Alphabet決算 | Google Cloud、広告、設備投資 |
| 10/29(木)早朝 | Microsoft決算 | Azure、AI収益、設備投資 |
| 10/29(木)3:00予定 | 米FOMC声明 | 政策金利、今後の金融政策 |
| 10/29〜30 | 日銀金融政策決定会合 | 金利、物価・景気見通し |
| 10/30(金)8:30 | 東京都区部CPI | 国内物価の広がり |
| 10/30(金)早朝 | Amazon決算 | AWS、AI投資、キャッシュフロー |
アドバンテストは会社公式IR、米大型IT企業は各社の決算予定に基づく。米国の発表時刻は夏時間を適用した日本時間。FOMC日程は米国現地10月27〜28日。 (ADVANTEST CORPORATION)
特にアドバンテスト決算で見たい三つの数字
第一に、売上高と市場予想との差。
前年同期比の成長率だけでなく、発表直前に市場が予想していた売上高をどれだけ上回るかが重要になる。
第二に、営業利益率。
売上が増えても、製品構成や開発費の増加によって利益率が低下する可能性がある。
第三に、通期予想と受注見通し。
現在の利益が大きくても、次の四半期に顧客需要が鈍化すれば、株価の評価が変わる可能性がある。
今日は決算実績だけでなく、今後の需要について会社が何を説明するかを重視したい。
その他の重要ニュース
🇯🇵 日本経済:企業向けサービス価格が前年比3.7%上昇
10月27日、日銀は9月の企業向けサービス価格指数を発表した。
総平均の前年同月比は3.7%。
8月の3.5%から上昇した。
一方、国際運輸を除いた指数は2.9%で、8月と同じだった。 (日本銀行時系列統計データ検索サイト) ここが重要だ。
総平均の上昇率が加速していても、国内サービス全般の価格上昇が同じように加速しているとは限らない。
国際輸送などの影響を分けて確認する必要がある。
日銀は29〜30日に金融政策決定会合を開く。
物価上昇の原因が、国内の需要や賃金なのか、エネルギーや国際輸送などの費用なのか。
この違いが金融政策を考えるうえで重要になる。
🏦 金融政策:日銀の追加利上げをめぐって見方が分かれる
10月27日のReuters報道では、日銀の黒田前総裁と若田部元副総裁の見解の違いが取り上げられた。
黒田氏は追加利上げの必要性を重視する一方、若田部氏は費用上昇によるインフレと弱い実質成長に慎重な姿勢を示している。 (Reuters) いずれも元政策担当者の見解であり、現在の日銀の政策決定を意味しない。
市場では今回の会合での据え置きが有力視されているが、今後の利上げ時期や物価見通しに変化があるかを確認したい。
🇯🇵 日本国債:Moody's、日本の成長とインフレ安定化を評価
27日、Moody'sは、日本経済が持続的な成長と安定的なインフレへ移行しつつある兆候を評価した。
日本の信用格付けはA1、見通しは安定的で変更していない。
一方、財政政策や人口動態、生産性向上の持続性を引き続き注視している。 (Reuters) 格付けが引き上げられたわけではない。
日本経済の変化を肯定的に評価する一方、その変化が長続きするかを確認している段階だ。
🛢 原油:Brentは113.88ドルへ反落
27日のBrent原油は113.88ドルで取引を終えた。
前日比では1.67%の下落となった。
中東の外交交渉への期待が原油価格を抑える材料となっている。
ただし、輸送リスクが完全に解消されたわけではない。 (Reuters) 日本企業では、資源開発会社に販売価格面での影響がある一方、航空・化学・運輸では調達費用への影響が重要になる。
一日の原油価格の下落だけで、各社の利益予想が大きく改善したと判断することはできない。
🛡️ 防衛・宇宙:Boeingの防衛事業は増収増益
10月27日、米Boeingは決算を発表した。
7〜9月期の防衛・宇宙・安全保障部門の売上高は79.35億ドル、前年同期比15%増。
営業利益は前年同期の1.14億ドルから4.92億ドルへ増加した。
ただし、営業利益には研究会社HRL Laboratoriesの売却益2.52億ドルが含まれている。 (MediaRoom) 同社は米海軍の次世代戦闘機F/A-XXの開発案件にも選定された。
ただし、会社は審査手続きが完了するまで、この案件を受注残高に計上しないと説明している。
案件への選定と、確定受注残高への計上を区別する必要がある。
日本の三菱重工、IHI、川崎重工などについても、米国防衛企業の増収から直接的な新規受注を推測することはできない。
🔐 サイバー:政府が緊急対策を準備。GMOの不正アクセスではFX業者5社から被害報告
国内のサイバー分野では、政策と実際の金融被害の両面で重要な動きがあった。
10月26日、政府はサイバーセキュリティに関する関係閣僚会議の初会合を開催した。
高市首相は、翌週中をめどに緊急対策パッケージを取りまとめるよう指示した。
対策には被害企業への支援、情報収集、政府システムの脆弱性点検などが含まれる。 (Impress Watch) また27日、片山金融相は、GMO関連の不正アクセス問題についてFX業者5社から顧客被害の報告があったと明らかにした。
各社は不正注文の遮断や対象顧客の取引停止などに対応している。
新しい不正取引が発生しているとの報告は受けていないという。 (Nippon.com) 今回の問題は、サイバー攻撃による損失が、被害企業一社のシステム復旧費用にとどまらず、顧客や取引先へ広がり得ることを示している。
一方、政府の緊急対策はまだ取りまとめ前であり、具体的な予算配分や企業への発注先は未確定だ。
サイバーセキュリティ需要が増える可能性と、特定の上場企業に新規受注が入ることは別々に評価する必要がある。
今朝の最終結論
10月28日の日本株で注目したいのは、AI投資の恩恵が半導体以外へ広がっていることだ。
Seagateの売上高は61%増えた。
粗利益率は57.3%に達し、フリーキャッシュフローも約15億ドルとなった。
Celesticaは83%増収となり、2027年にはさらに約90%の売上成長を見込んでいる。
この二つの企業は、AI関連のインフラ需要がHDDや通信機器にも届いていることを示す重要な材料だ。
日本企業では、TDKのHDD関連部品、フジクラや古河電工の光通信関連事業などが、こうした需要拡大との関係を持つ。
ただし、海外企業の好決算から日本企業の直接受注や増益額を断定することはできない。
一方、今日15時30分にはアドバンテストの決算が予定されている。
そして今夜から明朝には、Microsoft、Alphabetの決算と米金融政策の発表が控える。
今日の中心的な問いは、「AI設備投資が増えているか」だけではない。
「その投資がどの製品の販売数量と価格を押し上げ、どの企業の利益と現金を実際に増やしているのか」。
そこまで分けて見ることが、現在のAI関連株を評価するうえで重要になる。
出典・参照した報道
数字は各報道機関の記事に拠ります。株価・指数のチャートはTradingViewでご確認ください。本ページは投資助言ではなく、個別の売買推奨は行いません。