Alumina モーニングブリーフィング

先物1,070円安で始まる週明け 半導体決算の反応と中東・米中間選挙をどう織り込むか

読了 約22分

  • 日経平均(10月30日 15:30 JST 終値)前営業日比−1,369.36円(−2.12%)63,290.11円
  • TOPIX(10月30日 15:30 JST 終値)前営業日比−38.21(−0.95%)3,965.07
  • 日経225先物12月限 大阪夜間取引終値(10月31日 06:00 JST)前営業日比日中清算値比 −1,070円(−1.69%)62,420円
  • 日経225先物 シカゴ円建て終値(10月30日 米国取引)前営業日比大阪日中終値比 −890円62,600円
  • NYダウ(10月30日 16:00 EDT 終値)前営業日比−572.25ドル(−1.09%)51,770.31ドル
  • S&P500(同)前営業日比−140.32(−1.82%)7,580.07
  • ナスダック総合(同)前営業日比−747.73(−2.86%)25,437.00
  • SOX 半導体株指数(同)前営業日比−829.40(−7.20%)10,688.80
  • 米10年国債利回り(10月30日 米財務省)前営業日比−0.04ポイント(前日4.98%)4.94%
  • ドル円(10月30日 ニューヨーク終値)前営業日比けさ07:06 JST は157.47円157.56円
  • WTI原油 12月限(10月30日 清算値)前営業日比+2.12ドル(前日102.00ドル)104.12ドル
  • 北海ブレント 1月限(10月30日 清算値)前営業日比+2.63ドル113.43ドル
  • インテル(10月30日 終値)前営業日比−26.31ドル(−28.58%)65.76ドル
  • キオクシアHD PTS(10月31日 04:48 JST)前営業日比東証終値比 −12.4%11,805.5円

対象日: 2026-11-02 情報基準: 日本時間 07:25

今朝の結論

東京の引け後に起きた最大の変化は、米国の半導体株安だ。10月30日の米国市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は7.20%下げ、インテルは28.58%安で1974年以来の下落率を記録した。大阪取引所の日経225先物12月限は夜間取引で62,420円まで下げ、日中の清算値63,490円から1,070円低い。日経平均の現物終値63,290.11円と比べても870円低く、きょうの東京は大幅安で始まる前提で考える。大阪取引所の夜間取引の終値

ただし、売られた理由は一つではない。インテルは需要の失速ではなく、PC向けの弱さと部品不足による供給制約で来期見通しを下げた。キオクシアは会社予想を上回る決算を出したうえで、次の四半期を横ばいと見込んだため、私設取引(PTS)で12%安まで売られた。同じ半導体でも、東京エレクトロンは通期予想の初開示と自己株買いでPTSは上昇している。きょうは「半導体」と一括りにせず、何を理由に売られているのかを銘柄ごとに分けて見る日になる。

あすの11月3日は文化の日で東京市場は休場、米国では中間選挙の投票日だ。中東ではカタールを介した米国とイランの間接交渉が続く一方、投票翌日の11月4日にも攻撃再開に備えるよう米政権が同盟国に伝えたという報道も出ている。きょうの取引は、1日の営業日の後に休場と二つの大きな予定をまたぐ。持ち越しの判断は、その前提で行いたい。JPX営業日・休業日

日本株の地合い:×

寄り付き前の材料は、先物の1,070円安、SOXの7.20%安、キオクシアのPTS12%安と、下方向にそろっている。米10年国債利回りは4.94%へ低下し、ドル円は157円台半ばで横ばいのため、金利と為替からの追加の重しは小さい。それでも半導体株の下げが指数の下げに直結する構成は10月30日の東京と同じで、きょうも指数は半導体に引きずられやすい。

「×」は寄り付き前の地合いの見立てであり、きょうの終値や個別銘柄の方向を示すものではない。東京エレクトロン、パナソニックホールディングス、TDKなど、決算を受けてPTSで買われた銘柄もある。指数の方向と、決算で評価が分かれる個別の方向は、分けて考えたい。

MARKET DASHBOARD

指標 水準 前営業日比・時点
日経平均(10月30日 15:30 JST 終値) 63,290.11円 −1,369.36円(−2.12%)
TOPIX(10月30日 15:30 JST 終値) 3,965.07 −38.21(−0.95%)
日経225先物12月限 大阪夜間取引終値(10月31日 06:00 JST) 62,420円 日中清算値比 −1,070円(−1.69%)
日経225先物 シカゴ円建て終値(10月30日 米国取引) 62,600円 大阪日中終値比 −890円
NYダウ(10月30日 16:00 EDT 終値) 51,770.31ドル −572.25ドル(−1.09%)
S&P500(同) 7,580.07 −140.32(−1.82%)
ナスダック総合(同) 25,437.00 −747.73(−2.86%)
SOX 半導体株指数(同) 10,688.80 −829.40(−7.20%)
米10年国債利回り(10月30日 米財務省) 4.94% −0.04ポイント(前日4.98%)
ドル円(10月30日 ニューヨーク終値) 157.56円 けさ07:06 JST は157.47円
WTI原油 12月限(10月30日 清算値) 104.12ドル +2.12ドル(前日102.00ドル)
北海ブレント 1月限(10月30日 清算値) 113.43ドル +2.63ドル
インテル(10月30日 終値) 65.76ドル −26.31ドル(−28.58%)
キオクシアHD PTS(10月31日 04:48 JST) 11,805.5円 東証終値比 −12.4%

米国株の終値は10月30日の通常取引で、日本時間では10月31日05:00にあたる。米10年国債利回りは財務省の日次パーイールド、北海ブレントは期近となった1月限の値だ。米財務省の日次利回り/ナスダックの指数データ

①先物1,070円安の中身は米半導体株安であり、金利と為替ではない

大阪取引所の日経225先物12月限は、10月30日の夜間取引で63,220円で寄り付いた後に下げ幅を広げ、10月31日06:00に62,420円で取引を終えた。日中取引の清算値63,490円からは1,070円安、日経平均の現物終値63,290.11円からは870円安にあたる。シカゴの円建て先物も62,600円と、大阪の日中終値を890円下回って終えている。二つの市場が同じ方向を示しており、寄り付きの下げ幅は数百円では収まらない前提で考える。シカゴ日経平均先物

下げの原因は米国のハイテク株安だ。10月30日のニューヨーク市場では、ナスダック総合が2.86%、S&P500が1.82%、NYダウが1.09%下げた。SOXは7.20%安で、インテルが28.58%安、AMDが10.88%安、サンディスクが13.47%安、マイクロンが5.30%安だった。前日のアマゾンとインテルの決算を受け、AI向け投資の採算に対する懸念が再び強まったと報じられている。米国株の概況

一方で、金利と為替は大きく動いていない。米10年国債利回りは財務省の日次値で4.98%から4.94%へ0.04ポイント低下し、ドル円はニューヨーク終値が157.56円、けさ07:06には157.47円だった。10月30日の東京午後も157円70銭近辺で取引されており、週末をまたいだ円高の窓は開いていない。つまり、きょうの下げは金利や円高による全面安ではなく、半導体を中心としたハイテク株の売りが指数を押し下げる形になる。

この区別が大切なのは、売られる銘柄の範囲を決めるからだ。10月30日の東京でも、日経平均は1,369.36円安だったが、プライム市場の値上がり銘柄は807、値下がりは714で、下げは半導体とAI関連に偏っていた。TOPIXの下落率は0.95%で、日経平均の2.12%より小さい。きょうも、指数の下げ幅と個別の下げ幅は一致しないと見ておく。10月30日の東京市場の大引け

②インテルの急落は需要の失速ではなく、PCの弱さと供給制約の問題だ

インテルの7〜9月期は、売上高が165億ドルで前年同期比21%増だった。データセンター・AI部門は73億ドルで78%増、ファウンドリーは67億ドルで58%増と伸びている。クライアント部門は81億ドルで5%減だった。売上の実績だけを見れば、決算は弱くない。インテルの決算発表(SEC提出資料)

株価を動かしたのは10〜12月期の見通しだ。会社は売上高を150億〜160億ドル、非GAAPの1株利益を0.25ドルと予想し、市場予想の171億ドル、0.43ドルを大きく下回った。10月30日の株価は65.76ドルで28.58%安となり、出来高は4億5,560万株に達した。時間外は64.88ドルと、終値からさらに1.3%下げている。インテル決算の報道

見通しを下げた理由を会社は二つ挙げている。一つはPC需要の悪化で、メモリーを中心とした部品価格の上昇、IT予算の制約、在庫管理の厳格化によってクライアント向けの需要が落ち、10〜12月期にさらに悪化し2027年も続くとしている。もう一つは供給制約で、基板やメモリーなどの部品不足によってデータセンター向けCPUの供給が需要に届かず、この不足は来年も続くという。会社は基板の将来供給を確保する契約を2件結び、約53億〜61億ドルを支払う見込みだと開示した。相手先の社名は示されていない。インテルの四半期報告書

イスラエルのキリヤトガト工場も10月中旬の事故で約2週間停止し、10〜12月期から2027年上期の原価と利益を押し下げる。つまり、インテルの急落は「AI向けの需要が消えた」という話ではない。需要はあるが供給できず、PC向けは部品高で需要そのものが弱い、という組み合わせだ。

日本株への直接の経路を示す会社発表はない。インテルの基板契約の相手先は非開示で、イビデンが10月29日に開示したCPU向けパッケージ基板への約1,510億円の投資にも顧客名はない。イビデンは10月30日にストップ安の8,359円まで売られ、PTSでもさらに7%安となったが、インテルとの関係を理由に挙げたのは市況の解説であって、会社の開示ではない。インテル関連として売られる銘柄は、どの程度インテル向けの売上があるのかを会社資料で確かめてから判断したい。イビデンの設備投資の開示

③キオクシアは会社予想を上回ったが、横ばい見通しでPTSは12%安

キオクシアホールディングスは10月30日18:45に7〜9月期の決算を発表した。売上収益は2兆4,800億円で前四半期から40.3%増え、営業利益は1兆9,947億円で営業利益率は80.4%に達した。7月時点の会社予想である売上2兆3,900億円、営業利益1兆8,900億円を、それぞれ3.8%、5.5%上回っている。増収の理由として会社は、生成AI用途を中心としたデータセンター向け顧客の需要が旺盛で、平均販売単価が大幅に上昇したことを挙げた。キオクシアの決算短信

売られた理由は10〜12月期の予想にある。会社は売上収益2兆5,000億円、営業利益1兆9,950億円、親会社所有者帰属の四半期利益1兆3,600億円を見込み、前四半期比でそれぞれ0.8%増、横ばい、0.3%増にとどまる。会社はデータセンター向けの需要は旺盛に推移するとしたうえで、想定為替レートを1ドル161円から157円へ4円の円高に置いたことを理由に、7〜9月期と同水準の業績を見込むと説明している。通期予想は出していない。

株価は決算発表前の10月30日に13,470円で終え、前日から7.14%下げていた。発表後のPTS夜間取引では11,805.5円まで売られ、東証終値から12.4%安、10月29日の終値からは18.6%安にあたる。ただし、この夜はサンディスクが13.47%安、SOXが7.20%安となった米国の半導体株安も重なっており、PTSの下げを決算への反応だけで説明することはできない。PTSの出来高は132万株で、寄り付きの値段を保証するものでもない。PTS夜間取引の出来高上位

比較のために並べると、合弁相手のサンディスクは次の四半期に売上122億〜126億ドルと、前四半期比で10.6〜14.2%の増収を見込んでいる。キオクシアは円建てで横ばいだ。この差のうち為替で説明できる部分は会社が示した4円の円高分で、残りの理由を会社は説明していない。単価がどこまで上がり続けるのか、出荷量が本当に横ばいなのかは、今後の説明資料と次の決算で確かめる項目になる。

会社は上場後初となる中間配当90円(10月1日の1対3分割前の株数ベース)も決め、余剰資金の100%を中長期的に還元する方針を示した。横ばい見通しと初配当は同じ日に出ている。きょうの寄り付きで12%安の水準が維持されるなら、市場は見通しの横ばいを重く見たことになり、戻すなら決算の実績と還元を評価したことになる。どちらに動いても、その日の値動きだけで会社の説明の真偽が決まるわけではない。株主還元方針と初配当

④装置株の決算は逆の材料で、半導体の中でも評価が分かれる

同じ10月30日の引け後に、東京エレクトロンは未定だった2027年3月期の通期予想を初めて開示した。売上高3兆7,000億円で前期比51.4%増、営業利益1兆1,690億円で87.1%増、純利益8,650億円で50.6%増と、いずれも過去最高の計画だ。7〜9月期の営業利益は2,953億円で、前四半期から39.7%増えた。あわせて上限1,500億円、2,500万株の自己株買いを11月1日から始める。PTSでは9,700円と、東証終値9,514円から1.96%高で取引された。東京エレクトロンの決算説明資料

レーザーテックの7〜9月期は売上高が25.5%減、経常利益が45.8%減だったが、会社は今期の受注見通しが従来の想定を上回ると説明している。PTSは34,769円と終値から7.8%安だった。SCREENホールディングスは中間期の経常利益が19.5%増で通期予想を据え置き、半導体製造装置ではファウンドリー向けが減ってDRAMを中心とするメモリー向けが増えたと説明した。PTSは7.4%安だった。レーザーテックの決算短信

ここで見えるのは、同じ半導体製造装置でも、PTSの反応が東京エレクトロンの上昇と、レーザーテック、SCREENの下落に分かれたことだ。通期計画を初めて示して自己株買いを付けた会社と、増益でも通期予想を据え置いた会社や減収減益の会社では、米国発の売りの中でも扱いが違った。きょうの東京でも、SOXの7.20%安を半導体株全体に機械的に当てはめるのではなく、決算の中身でどう分かれるかを見たい。

注意点は、PTSの値段は時刻も出来高も銘柄ごとにばらつくことだ。アドバンテスト、ディスコ、ルネサスのPTSは終値から1〜2%安にとどまったが、出来高の少ない参考値にすぎない。寄り付きの板で確かめるまで、PTSの序列をそのまま信じないようにしたい。

⑤中東は「2日で再開」の提案と「11月4日に攻撃再開」の報道が並ぶ

カタールを介した米国とイランの間接交渉は、10月30日のテヘランから10月31日以降はドーハへ場所を移して続いている。イランのアラグチ外相は、ホルムズ海峡の再開案の実施期間を7日から2日へ短縮したと述べた。ただし、米軍の削減、制裁の解除、凍結資産の解放などの条件は堅持するとしており、米国が条件に同意することが前提だ。ルビオ国務長官は10月31日、大統領は軍事行動を決めていないと述べ、交渉の期限は示さなかった。アラグチ外相の発言/ルビオ長官の会見

その一方で、攻撃再開の時期が具体的な日付で報じられ始めた。米政権が湾岸の同盟国に、中間選挙翌日の11月4日にも短期集中の攻撃に備えるよう伝えたという報道と、ネタニヤフ首相がトランプ大統領との電話で中間選挙直後の再開を迫ったという報道がある。後者の報道では、トランプ大統領は外交にもう少し時間を与えたい意向だとされる。いずれも匿名の当局者を情報源としており、ホワイトハウスは確認していない。イラン側は最高指導者が「地理的な制限のない反撃」を命じたと発表し、革命防衛隊は新たな標的の選定に入ったと表明した。交渉と軍事準備が同時に進んでいる。イラン最高指導者の指示

船舶への攻撃は10月30日夜から週末にかけて続いた。カタールのLNG船「アル・マイェダ」が10月30日夜にペルシャ湾で被弾し、カタール外務省は11月1日、航行の安全と世界のエネルギー供給を脅かす危険な行為だと非難した。攻撃の主体は特定されていない。イランの革命防衛隊と海軍は、10月30日から11月2日未明にかけて相次いでタンカーが機雷に触れたと発表し、本数を合計すると7隻になるが、船名は示しておらず、独立した確認はない。供給側では、OPECプラスの7か国が11月1日のオンライン会合で12月の生産水準を据え置き、増産で応じる動きは出なかった。次回会合は11月29日だ。カタール外務省の声明/OPECの発表

原油はこの状況を映している。WTIの12月限は10月30日に104.12ドルで清算され、前日から2.12ドル高、週間では0.82%高となった。北海ブレントの1月限は113.43ドルだった。週末に出た材料は、交渉の継続と攻撃再開の報道、LNG船の被弾、OPECプラスの据え置きで、原油を下げる方向のものは少ない。きょうの東京でも、原油高は燃料や原料を輸入に頼る業種にはコスト面の重しとして効く。WTIの清算値

日本株にとっての問題は、この材料が11月3日の休場中に動くことだ。11月4日に攻撃が再開されれば、東京は1日分の変化を11月4日の寄り付きで一度に織り込むことになる。逆に2日案に米国が応じれば、原油は下げ、海運やLNG関連の見方は変わる。どちらも現時点では起きていない。きょうの持ち越しは、休場中に逆方向へ動く可能性を両方とも残したまま決める必要がある。

⑥米中間選挙は11月3日投票、開票は11月4日の東京取引時間に重なる

米中間選挙の投票日は米国時間11月3日で、下院の全435議席、上院の35議席、36州の知事が争われる。米国は11月1日に冬時間へ移行したため、投票の締め切りは日本時間11月4日の08:00から15:00に順次訪れ、東京の取引時間とほぼ重なる。期日前投票はフロリダ大学の州別集計を合計すると5,433万票に達し、2022年の約4,600万票をすでに上回っている。期日前投票の集計

下院は、世論調査、専門家の評価、予測市場のどれで見ても民主党が優勢だ。上院は専門家の評価が「互角」から「民主党がわずかに有利」まで割れている。予測市場のPolymarketでは11月2日07:07時点で、民主党が下院を制する確率を94.5%、上院を制する確率を71.5%と価格付けしている。民主党が上下院とも制する組み合わせは約70%、下院は民主党で上院は共和党のねじれが約24%、共和党が両院を維持する組み合わせは約6%だ。これらは予測市場の価格であって、開票結果ではない。確定した結果は現時点で一つもない。予測市場の価格

市場への影響を考えるときの軸は、結果そのものより予想とのずれだ。民主党が下院を取ることはほぼ織り込まれており、材料にはなりにくい。焦点は上院で、テキサス、オハイオ、メーン、アラスカ、カンザス、アイオワ、サウスカロライナなど6〜7州が世論調査の誤差の範囲で競っている。上院を共和党が維持してねじれになれば、市場が描いている「民主党の両院制覇」が崩れ、その方向に値が動きやすい。共和党が両院を維持する確率は低いが、起きれば米長期金利の上昇とドル高が最も大きく出る組み合わせとされる。選挙と市場の見方

日本株への経路は、為替と金利が中心になる。民主党の両院制覇やねじれでは財政拡大の余地が狭まるとして米長期金利の低下とドル安円高を見る向きが多く、共和党の両院維持では逆に円安を見る。ただし、どの結果でも大統領令による関税は維持される見通しで、日本との通商合意の条件が直ちに変わることを示す材料はない。民主党が多数派になれば、日本などが対米投資として約束した資金の使い道が議会の監視対象になるという報道はある。通商政策への影響

もう一つ、開票が長引く可能性は見落とされやすい。カリフォルニアは11月10日着の郵便票まで受理し、アラスカは過半数の候補がいなければ11月18日に順位選択投票の集計を行う。上院の多数派がこれらの州で決まる展開になれば、11月4日の東京時間中に大勢が判明するという前提は崩れる。11月4日の寄り付きで「結果が出た」と早合点しないことを、いまから決めておきたい。開票日程の整理

⑦きょうと今週の確認事項、仮説と反証条件

きょう11月2日は、10:45に中国の10月製造業PMI(民間調査のRatingDog)、14:00に日銀の展望レポート全文の公表がある。決算は京セラ、住友商事、JALなど45社で、SBIホールディングスも含まれる。あすの休場をはさんで、米国では11月2日に10月のISM製造業景気指数、日本時間11月3日07:00にアップルの決算説明会がある。日銀の公表予定

11月4日は、朝07:00にAMDの決算説明会、東京時間中に米中間選挙の開票、日中は三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、NTTなど78社の決算と、衆院財務金融委員会での消費税減税法案の審議が重なる。11月5日は08:50に日銀9月会合の議事要旨、13:55にトヨタ自動車の中間決算があり、任天堂などの決算も同日に続く。11月6日の22:30には米10月雇用統計、日本時間11月7日01:00頃には植田総裁がワシントンのIMFで講演する。AMDの決算日程/米雇用統計の公表日程

今朝の仮説は、きょうの下げは半導体に集中し、決算で通期計画を引き上げた銘柄や初めて示した銘柄には売りが広がりにくい、というものだ。この仮説を支える根拠は、10月30日の東京で値上がり銘柄数が値下がりを上回ったこと、金利と為替がほぼ動いていないこと、PTSで通期予想を初開示した東京エレクトロンや上方修正したパナソニックホールディングスが買われたことにある。

反証となるのは、寄り付き後に値下がり銘柄数が値上がりを大きく上回り、TOPIXの下落率が日経平均と同じ水準まで広がる場合だ。その場合、売りは半導体の決算要因ではなく、休場と中東・選挙を控えた持ち高の圧縮が主因になる。ドル円が156円台へ円高に振れる場合も、輸出株全体へ売りが広がる条件になる。この二つが同時に起きるなら、半導体に限った下げという仮説は捨てる。

もう一つの反証は、キオクシアが寄り付き後にPTSの水準から大きく戻す場合だ。それは市場が横ばい見通しより実績と還元を評価したことを意味し、半導体の売りが決算の中身で止まる兆しになる。逆に12%安の水準で終日張り付くなら、見通しを下げた会社や横ばいの会社への売りは、今週の決算が続く間も繰り返されると見たほうがよい。

その他の重要ニュース

パナソニックホールディングスが最高益予想を上乗せ、PTSは8%高

パナソニックホールディングスは10月30日、今期の最終利益予想を4,500億円から5,400億円へ引き上げ、年間配当を54円から70円へ増やした。調整後営業利益は1,300億円増の7,800億円を見込む。7〜9月期の調整後営業利益は2,132億円で、前年同期の904億円から大きく伸びた。PTS夜間取引では3,832円と、東証終値3,548円から8.00%高で取引された。パナソニックHDの決算

三菱電機は2,000億円の自己株買い、純利益は減損で下方修正

三菱電機は売上高を6兆5,500億円、調整後営業利益を7,100億円へ上方修正する一方、純利益は4,950億円から4,650億円へ下方修正した。三菱電機モビリティ株の50%を鴻海に売却したことに伴う減損1,000億円が理由だ。あわせて上限2,000億円、8,000万株の自己株買いを11月1日から始め、2,300万株を11月30日に消却する。上方修正と下方修正と自己株買いが同じ日に出ており、どれを重く見るかで評価が分かれる。三菱電機の業績予想修正

TDKが通期予想を上方修正、営業利益3,650億円

TDKは通期の売上高を2兆5,800億円から3兆500億円へ、営業利益を2,950億円から3,650億円へ、最終利益を2,250億円から2,800億円へ引き上げた。年間配当は10円増の50円とする。PTS夜間取引は2,613円で、東証終値2,572円から1.59%高だった。TDKの業績予想修正

消費税減税法案は11月4日に審議、与党は11月6日の衆院通過を目指す

与党は飲食料品の消費税率引き下げに関する法案を11月4日に衆院財務金融委員会で審議し、11月6日にも衆院を通過させる方針だ。首相の委員会出席をめぐって与野党が11月4日に協議する。会期末は12月12日で、参院では与党が少数となっている。日銀の展望レポートはこの減税の影響を物価見通しに織り込んでいない。消費税減税法案の日程

日銀は12月会合での利上げに含みを残し、ETF売却は2027年1月から加速

日銀は10月30日、政策金利を1.25%程度に据え置いた。賛成8、反対1で、高田委員は1.5%への利上げを提案した。植田総裁は会見で、利上げは次回会合を含め毎回の会合で点検して判断すると述べ、12月17〜18日の会合での利上げに含みを残した。ETFの売却ペースは簿価で年3,300億円から8,600億円程度へ引き上げ、2027年1月から実施する。11月5日の9月会合議事要旨と、11月7日未明の総裁講演が次の手掛かりになる。日銀の金融政策決定

今朝の最終結論

きょうの東京は、先物の1,070円安が示すとおり大幅安で始まる公算が大きい。その下げは米半導体株安に由来し、金利と為替はほぼ動いていない。だから、売りは半導体とAI関連に集中し、決算で計画を引き上げた銘柄や初めて示した銘柄まで一律に売られる根拠は、いまのところない。寄り付き後に値上がり銘柄数とTOPIXの下落率を見て、この見立てが正しいかを最初に確かめたい。

半導体の中でも、売られる理由は分かれている。インテルはPC需要と供給制約、キオクシアは横ばい見通し、東京エレクトロンは逆に通期計画と自己株買いで買われた。SOXの7.20%安を全銘柄に当てはめず、各社の決算の中身で寄り付きの下げが妥当かを判断したい。キオクシアがPTSの水準から戻すかどうかは、その判断の最初の試金石になる。

あすは休場で、その間に米中間選挙の投票と、中東の交渉か攻撃再開かの分岐が進む。11月4日の東京は、選挙の開票と中東の結果を同時に織り込む朝になる。きょうの持ち越しは、その両方が逆方向に動く可能性を残したまま、翌々日まで持てる持ち高かどうかで決める。確定していないことを確定したように扱わないことが、今朝の基本姿勢だ。

出典・参照した報道
  1. CNBC 米国市場・為替・原油の終値データ(10月30日)
  2. 株探 大阪取引所 日経225先物 夜間取引の終値(10月31日 06:03)
  3. みんかぶ シカゴ日経平均先物 円建て清算値(10月30日)
  4. 株探 大阪取引所 日経225先物 夜間寄り付き(10月30日)
  5. みんかぶ WTI原油 清算値(10月30日)
  6. みんかぶ WTI原油 清算値(10月29日)
  7. みんかぶ WTI原油 清算値(10月23日)
  8. みんかぶ ドル円 ニューヨーク市場 四本値(10月30日)
  9. みんかぶ 東京外為市場 概況(10月30日 15:44)
  10. みんかぶ 米国株式市場 概況(10月30日)
  11. 米財務省 日次パーイールドカーブ(2026年)
  12. ナスダック公式API SOX・ナスダック総合・インテルの終値(10月30日)
  13. ナスダック公式API インテル 時間外取引(10月30日)
  14. CNBC インテル・アマゾン決算とAI投資懸念(10月30日)
  15. FinanceFeeds 北海ブレント週間概況(10月31日)
  16. CBS News ライブブログ 米・イラン情勢(10月30日〜11月1日)
  17. Al Jazeera ライブブログ イラン戦争(11月1日)
  18. ANI アラグチ外相のホルムズ海峡2日再開案(11月1日)
  19. The National ルビオ国務長官 G20会見(10月31日)
  20. 読売新聞 イラン最高指導者が反撃を指示(10月31日)
  21. OPEC プレスリリース 12月の生産水準(11月1日)
  22. カタール外務省 LNG船攻撃への非難声明(11月1日)
  23. Times of Israel ネタニヤフ氏がトランプ氏に戦争再開を要請との報道(11月1日)
  24. Political Wire MS NOW報道 中間選挙翌日の攻撃再開準備(10月30日)
  25. Trend 革命防衛隊のタンカー2隻機雷接触の主張(11月2日)
  26. フロリダ大学 Election Lab 期日前投票集計CSV(11月1日更新)
  27. Fox News 投票締め切り時刻と選挙の概要(11月1日)
  28. Fox News Power Rankings 上院・下院の評価(11月1日)
  29. Al Jazeera 期日前投票5,000万票超(11月1日)
  30. Polymarket 公開API 上院・下院・議会構成の価格(11月2日 07:07)
  31. Kalshi 公開API 上院・下院・議会構成の価格(11月2日 07:07)
  32. Reuters配信 民主党勝利と通商政策の見通し(11月1日)
  33. Convera 中間選挙とドルの見方(10月30日)
  34. OANDA 米中間選挙2026 日程と市場の整理(10月30日)
  35. 外為どっとコム 中間選挙シナリオとドル円(10月31日)
  36. キオクシアHD 2027年3月期 第2四半期決算短信(10月30日 18:45)
  37. キオクシアHD 株主還元方針と中間配当(10月30日 18:45)
  38. 株探 キオクシアHD 株価時系列とPTS表示
  39. インテル 2026年第3四半期決算発表(SEC 8-K Ex.99.1)
  40. インテル 四半期報告書 10-Q 抜粋(2026年9月26日期)
  41. ナスダック公式API 半導体各社の終値・時間外(10月30日)
  42. CNBC インテル第3四半期決算と市場予想(10月29日)
  43. サンディスク FY27第1四半期決算発表(SEC Ex.99.1)
  44. 東京エレクトロン 2027年3月期 第2四半期決算短信
  45. SCREENホールディングス 2027年3月期 第2四半期決算短信
  46. レーザーテック 2027年6月期 第1四半期決算短信
  47. イビデン 設備投資の開示(10月29日)
  48. 株探 日本の半導体関連株 10月30日終値とPTS
  49. キオクシアHD 2027年3月期 第1四半期決算短信(7月31日、2Q予想)
  50. 株探 10月30日 東京市場大引け
  51. 日銀 金融政策決定会合の決定内容(10月30日)
  52. OANDA 日銀10月会合と総裁会見の整理(10月30日)
  53. 東京エレクトロン 決算説明会資料 FY2027 Q2(10月30日)
  54. 株探 今週の主要イベント(11月2日〜8日)
  55. 株探 決算発表予定(11月2日〜6日)
  56. 株探 本日の決算発表予定(11月2日)
  57. JPX 営業時間・休業日一覧
  58. 米労働省BLS 雇用統計の公表日程
  59. 任天堂 IRカレンダー
  60. 時事通信 トヨタ中間決算の開示時刻(10月29日)
  61. 日銀 公表予定(英語版カレンダー)
  62. 株探 PTS夜間取引 出来高ランキング(10月30日)
  63. 株探 パナソニックHD 決算速報(10月30日)
  64. AMD IR 第3四半期決算の発表日程
  65. アップル IR FY26第4四半期決算イベント/クアルコム・アーム日程
  66. 時事通信 消費税減税法案の審議日程(10月31日)
  67. ロイター配信 三菱電機の業績予想修正と自己株買い(10月30日)
  68. 株探 TDK 通期予想の上方修正(10月30日)
  69. マイナビ パナソニックHD 決算(10月30日)
  70. CNBC インテル急落は1974年以来(10月31日)
  71. 日銀 展望レポート基本的見解の概要(10月30日)
  72. 株探 10月30日引け後の自社株買い一覧(19:20)
  73. AP配信 トランプ氏のアイオワ・カンザス集会と期日前投票(11月1日)

数字は各報道機関の記事に拠ります。株価・指数のチャートはTradingViewでご確認ください。本ページは投資助言ではなく、個別の売買推奨は行いません。