ALUMINA STOCK NOTE 212A
フィットイージーの株価は今後どうなる?会員31万人と出店拡大の将来性
フィットイージーの今後を考えるうえでは、店舗数の増加に、既存店の会員増と継続収入が伴うかが焦点です。10月1日公表の9月度KPIでは308店舗、会員31.1万人となりました。一方、第3四半期累計は売上高54.4%増に対して営業利益41.3%増で、売上ほど利益は伸びていません。新店の勢いと、店舗を増やした後の収益力を併せて見る局面です。9月度KPI
情報確認日

01 / OUTLOOK
フィットイージーのこれから
出店に伴う加盟店向け販売を、既存店会員とロイヤリティの継続成長につなげられるかが評価の分かれ目です。
フィットイージーの上昇シナリオ
上向きのシナリオは、新しい地域で店舗を増やしながら、開業済み店舗でも会員が増える展開です。9月の全会員数は前年同月比44.9%増、既存店会員数は同9.0%増でした。出店だけに頼らず利用者を増やせれば、FC店から受け取るロイヤリティや直営店の会費が積み上がります。
加盟店向け設備販売は出店時に売上を押し上げますが、継続収入が厚くなれば、将来の新規出店に対する依存を下げられます。運動以外のサービスが退会の抑制や利用頻度の向上につながり、追加費用を上回る利益を生むと確認されることが、業績への期待を強める経路です。株価の上昇には、その成長が投資家の織り込む期待を上回る必要があります。KPI原典
フィットイージーの下降シナリオ
下向きのシナリオは、店舗数が増えていても、既存店の会員増が鈍り、加盟店の採算や次の出店意欲が弱まる展開です。既存店会員数の前年同月比増加率は7月14.3%、8月10.7%、9月9.0%と、直近では伸び率が低下しています。会員が減ったという意味ではありませんが、成長率の変化は見逃せません。
サウナや美容などの設備は選ばれる理由になる反面、導入・保守・光熱費を伴います。利用の増加が費用増を補えなければ、加盟店向け販売が伸びてもチェーンの持続力は弱まります。高い成長への期待が先行している場合、増益を続けていても伸びの鈍化が評価を下げる可能性があります。KPI原典
02 / TIMELINE
フィットイージーの材料・ニュース・適時開示
材料・自社
第3四半期累計の営業利益は前年同期比41.3%増
累計売上高10,623百万円、営業利益2,507百万円を発表し、通期会社予想を据え置きました。
- 事業には追い風
- 出店と会員の増加が実際の増収増益として表れています。
- 短期と業績の見方
- 高成長の実績と、通期達成に必要な第4四半期利益を分けて判断する材料です。
- 実際に確認できたこと
- 2026年7月までの増収増益を確認しました。通期予想の達成結果はまだ含まれていません。
確認日 2026-10-16
材料・自社
9月末の店舗数308店、会員数31.1万人を公表
9月度KPIで全店308店舗、会員31.1万人、既存店会員の前年同月比9.0%増を公表しました。
- 影響は両面
- 店舗・会員の拡大は継続収入の増加につながる一方、既存店の会員増加率は直近で鈍化しています。
- 短期と業績の見方
- 月次は成長の速さを確認する材料ですが、利益率や開業費用は決算で確かめる必要があります。
- 実際に確認できたこと
- 9月末時点の店舗・会員の拡大を確認できます。10月期通期の利益はこの資料の対象ではありません。
確認日 2026-10-16
カレンダーの現在地
ここから先は、本日以降の予定です。
本文の情報確認日 2026-10-16
予定の確認日 2026-10-16
03 / MARKET POSITION
優待拡充と出店資金の論点
9月14日には株主優待の拡充を発表しました。対象は毎年10月末の株主名簿に記載された100株以上の保有者で、保有株数に応じた選択式優待と、条件を満たす長期保有者への追加優待を設けています。個人投資家の保有動機を広げる施策ですが、利用者数や利益の増加とは別の材料です。優待目的の購入がどれだけ増えたかは、この発表だけでは分かりません。
資金面では、7月末の現金及び預金が前期末を下回る一方、差入保証金などが増加しました。FC主体でも本部の資金負担がなくなるわけではなく、配当・優待と出店支援を両立できる現金の余裕が論点になります。優待拡充・決算短信
04 / INDUSTRY
フィットネス市場の将来性と多機能店の競争
フィットネス市場では、健康への関心がそのまま特定のジムの会員増になるわけではありません。低価格ジム、ピラティス、パーソナル指導など、利用者が払う料金と求める体験が分かれています。日本フィットネス産業協会の2026年度事業計画でも、業態の多様化、人件費やエネルギーコストの上昇、総合型クラブの事業モデル再構築を挙げています。FIA事業計画
この中でフィットイージーは、トレーニングマシンにゴルフ、ラウンジ、サウナ、セルフエステなどを組み合わせています。運動に強い目的を持つ人だけでなく、仕事帰りの休息や美容も含めて通える場所を目指すモデルです。利用目的が増えるほど月会費を払い続ける理由も増やせます。第3四半期決算短信
長期の成長余地は、既存商圏での浸透と新しい地域への進出の両方にあります。9月末の東海地区は174店舗で、全国308店舗の中でも大きな比重を占めます。知名度や店舗運営の経験がある地域での出店と、顧客の好みや競合が異なる地域での出店では、会員獲得の難しさが違います。全国の店舗数だけでなく、地域別の増加が伴っているかが判断材料です。9月度KPI
既存店の定義にも注意が必要です。同社の月次資料は前年同月までにプレオープンした店を既存店としています。前年に開業した若い店舗の成長も含むため、長く営業している店舗だけの実力を示す数字ではありません。将来性を判断する際は、この定義を踏まえて会員の伸びを見ると、出店効果と既存商圏での強さを取り違えにくくなります。
05 / FINANCIALS
第3四半期決算と現金の動き
9月14日公表の2026年10月期第3四半期は、2025年11月1日から2026年7月31日までの累計、非連結の業績です。通期会社予想は2026年6月12日公表値から変更していません。下表の金額は百万円です。決算短信
| 項目 | 第3四半期累計実績 | 前年同期比 | 通期会社予想 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 10,623 | 54.4%増 | 14,322 |
| 営業利益 | 2,507 | 41.3%増 | 3,506 |
| 経常利益 | 2,535 | 42.7%増 | 3,558 |
| 純利益 | 1,725 | 45.7%増 | 2,473 |
実績と通期予想の差を計算すると、第4四半期に必要な売上高は3,699百万円、営業利益は999百万円です。これは新たな会社予想ではなく、公表値の引き算です。累計の営業利益率は約23.6%、通期会社予想では約24.5%になるため、残る期間には売上の積み増しと利益率の改善が必要です。会員数の計画達成だけで通期利益の達成まで決まるわけではありません。
7月末の総資産は11,577百万円、純資産は6,761百万円、自己資本比率は58.4%でした。貸借対照表の現預金は約26.38億円(前期末約32.74億円)で、前期末から減っています。利益は増えていますが、出店や資産の増加、配当などに現金を使うため、利益と手元資金は同じ動きにはなりません。
同社はこの第3四半期のキャッシュ・フロー計算書を作成していません。現預金残高の減少だけを理由に営業活動の現金創出力が悪化したと断定するのも適切ではありません。差入保証金や売掛金などの増加と合わせ、次の通期決算で営業キャッシュ・フローと投資支出を確認すると、拡大に必要な資金を事業で回収できているかが分かります。
06 / BUSINESS
会費とFC収入を生む事業の仕組み
フィットイージーは、直営店とフランチャイズ店を通じてアミューズメントフィットネスクラブを展開しています。第3四半期説明資料では7月末297店舗のうちFC店272店舗、直営店25店舗としています。会社がすべての店舗の会費をそのまま自社売上として受け取る構造ではありません。決算説明資料
直営店では利用者の会費が収入になります。FCでは加盟店向けの卸売など、出店や店舗整備に伴う収入と、店舗運営が続く間のロイヤリティなどが発生します。売上高の伸びを読む際は、新規出店時に増えやすい収入と、既存の店舗網から継続して得る収入を分ける必要があります。
主な出典
- 2026年10月期第3四半期決算短信(2026-09-14公表)
- 株主優待制度の拡充(2026-09-14公表)
- 9月度主要KPI(2026-10-01公表)
- FIA 2026年度事業計画
- 2026年10月期第3四半期決算説明資料(2026-09-14公表)
