銘柄レポート🔖 毎週土曜更新

アドバンテスト(6857)株価分析 電気機器

AI半導体・HBMの検査装置(テスタ)で世界首位級——「作られた半導体は、必ず検査される」という位置に立つ会社。EPS予想を2年で165円→642円と3.9倍に塗り替え続け、株価はコロナ期の約43倍となる高値35,940円(6/25)へ。いまは▼19%の28,945円、それでも予想PERは約45倍
この高い物差しを、「テスタ市場は過去最大」という見通しはどこまで支えるのか——良い決算でも売られた4月の実例、±5%が日常の乱高下の構造まで、この1ページで整理する。

アドバンテストの今と見どころ📊 株価データ:2026-07-24終値
✍ 見立て・本文:2026-07-24執筆(週1+イベント時更新)
次回の本文更新:8/1(土)ごろ
30秒だけの人へ
  • 半導体の性能を出荷前に検査する装置(テスタ)の世界大手。NVIDIAのGPUのような高性能SoCと、HBM(AI用の高性能メモリ)の両方の検査で首位級のシェアを持ち、「AI半導体が作られるほど検査が増える」位置に立つ。前期は売上1兆1,286億円(+45%)・営業利益4,991億円(+119%)・営業利益率44%という水準まで急拡大した。
  • 株価の燃料はEPS予想の連続上方修正——165円→228→244→303→378→452円、そして実績515円・来期予想641.61円と2年で3.9倍。6/25には米マイクロンの好決算(HBM需要)を受けて上場来高値35,940円(コロナ安値の約43倍)。いまは▼19%の28,945円だが、予想PER45倍と高い物差しのまま、±5%の日が当たり前の乱高下が続く。
  • 焦点は7/29の1Q決算=「計画どおり」では足りない物差しに、また上方修正で応えられるか。株価の物差しは25日線(30,422円)・押し安値26,000円(7/17)・上場来高値35,940円(6/25)。
いまの状態
業績売上1兆1,286億(+45%)・営業益4,991億(+119%・率44%)・EPS 515円。来期は売上1兆4,200億・EPS 641.61円(+25%)を会社が予想 株価の流れ3/31安値19,720円→6/25高値35,940円(+82%)→7/17安値26,000円(▼28%)→28,000〜31,000円の乱高下。±5%の日が月に何度もある 需給信用買い残295万株=出来高の0.3日分と極めて軽い。値段を決めるのは世界の半導体資金の出入り(米マイクロン・NVIDIA決算で動く) 割安度予想PER 45.1倍(高値では56倍)。市場平均の3倍近い物差し=「修正の連打が続く」ことへの前払い
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📝 今週なにが変わったか (初回・毎週土曜に追記)

📌 今週の要点:このページは今回が開設。7/17(TOPIX▼2.7%)に26,000円まで売られた後、7/21+7.7%・7/23+4.1%・7/24▼6.0%と、±5%超の日が交互に来る乱高下のまま28,945円で週を終えた。7/29に1Q決算=開設直後にいきなり最大イベントが来る。この欄には毎週土曜、変化と答え合わせを追記していく。

① 新しく分かったこと

➡️ 決算前の売買が異常に神経質になっている
7/23+4.1%→7/24▼6.0%という往復は、決算への期待と警戒が同じ大きさでぶつかっている形。昨年の1Q(2025/7/29)は開示と同時に通期予想を上方修正した会社で、「今年も初回から修正が出るか」が争点。
→ 解釈:PER45倍の物差しは「+25%予想は通過点で、さらに上げてくる」ことまで織り込んでいる。修正なしの「計画どおり」だと失望が出やすい水準。

② 見立ては変わったか → 🟢 変更なし(開設初回のため、見立ての起点はページ本文の通り)。

③ 🔒 確認条件(きょうから凍結・次回更新で答え合わせ)

(a) 7/29の1Q決算(前年は7/29・15:30引け後開示=反応は翌営業日)で、通期予想(営業益6,275億円・EPS 641.61円)の上方修正が出るか
(b) 押し安値26,000円(7/17)を終値で維持できるか
(c) 32,000円台(6/19の戻り水準)を出来高を伴って回復できるか

④ 📅 次に見るもの——7/29 自社1Q決算(15:30引け後→反応は翌朝)・7/30 FOMC/日銀・8月下旬 NVIDIA決算。

📅 これからの予定 — アドバンテスト(6857)に関連するもの

未来のことで確定している数少ない事実=「いつ・何が出るか」。自社の予定だけでなく、市場全体の経済イベントもここに出ます。日付はすべて日本時間・日をタップすると詳細が表示されます。

7/29(水)アドバンテスト(6857) 1Q決算発表(15:30開示・会社IRカレンダー掲載)自社・予測
過去2年は7/29・7/31の15:30(引け後)開示=反応は翌朝から。昨年は初回から通期上方修正を出した。会社が正式発表したら確定日に置き換えます
7/30(木)★FOMC(米金融政策) 結果発表市場全体
日本時間 3:00 結果発表・3:30 議長会見
東京が反応する日: 7/30(木)
7/30(木)★日銀 金融政策決定会合市場全体
結果は7/31昼ごろ・総裁会見15:30
東京が反応する日: 7/31(金)
8/7(金)★米雇用統計(7月分)市場全体
日本時間 21:30
東京が反応する日: 8/10(月)
8月下旬米NVIDIA 決算(7/29 15:30開示予定・会社IR掲載)関連・予測
AI半導体の需要の温度を決める本尊。この会社の株価は自社決算と同じくらいNVIDIA・マイクロン決算で動く(6/25の実例)
9月下旬米マイクロン 決算(7/29 15:30開示予定・会社IR掲載)関連・予測
HBM(AI用メモリ)の投資意欲の定点。6/25の上場来高値はマイクロン好決算が作った
速報直近の動き — アドバンテスト(6857)に関連するかもしれないニュース
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株価と出来事(過去75営業日・調整後終値) 2026-04-06 → 07-24

丸い番号をタップすると、その出来事の「なぜ」に飛びます。

IR(会社発表) 業界・市場ニュース 思惑・材料ニュース 時系列の補足
出来事のくわしい一覧(9件・タップで開く)

出典:株価・信用データはマーケットデータ、市場のできごとは適時開示ほか公開情報。金額は調整後終値。チャート:TradingView Lightweight Charts™

終値(調整後)
28,945円
2026-07-24(前日比▼6.0%・TOPIX騰落率との差▼5.0pt)
上場来高値からの下落
▼19.5%
高値35,940円(2026/06/25・取引時間中)から
直近2日の値動き
7/23+4.1%7/24▼6.0%
直近2営業日の前日比
信用倍率
5倍
買い残295万株/売り残54万株(7/17公表・週次)

3つの視点で見る(2026-07-24時点)

ファンダメンタルズ

売上+45%・営業利益+119%・営業利益率44%——AI半導体の検査需要を、SoCテスタとメモリテスタ(HBM向け)の両輪で総取りしている。会社は「テスタ市場は過去最大になる」と見通し、来期もEPS+25%を予想。注意点はPER45倍が「+25%は通過点」とみなしていること——4/27の決算では営業益2倍・来期+25%予想でも翌日▼5.6%と売られた。物差しの高さそのものが最大の変数。

需給

信用買い残295万株は出来高の0.3日分と極めて軽く、個人の信用はほぼ関係ない。値段を決めるのは世界の半導体資金の出入りで、米マイクロンの決算で+15.1%(6/25)、市場急落日に▼7.2%(7/17)と、外から来る資金の波がそのまま値動きになる。時価総額約21兆円の指数中核銘柄。

テクニカル

3/31安値19,720円→6/25高値35,940円(+82%)→7/17安値26,000円(▼28%)と、上下とも値幅が大きい。いまの28,945円は25日線(30,422円)の-4.9%下。確認は ①押し安値26,000円(7/17)を守るか ②32,000円台の回復 ③7/29の1Q決算 で。

※「上がる/下がる」の断定はしません。いまの状態の要約と、確認すべき条件です。詳しくは以下の各章で。

1

なぜ、PER45倍という物差しで買われ続けているのか

コロナ安値の約43倍・予想PER45倍。この評価を支える構造と、6/25の頂点から▼19%の調整で試されているものを層ごとに分解します。表はいちばん上が根っこ(土台)で、下へ行くほど新しい話になります。

土台検査という関所

「作られた半導体は、必ず検査される」——テスタ世界大手の位置 構造的な地位

  • 半導体は出荷前に1個ずつ性能検査される。その検査装置(テスタ)で世界市場を米テラダインと二分する大手。高性能SoC(GPU等)とメモリの両方を検査できるのが強み
  • どの半導体メーカーが勝っても検査は必要=「AIの勝者を当てなくても、AIの生産量に賭けられる」関所のビジネス
  • コロナ期の2020年には834円(調整後)まで売られていた——テスタが「シリコンサイクルの波に翻弄される装置株」だった時代
きっかけAIの検査需要

GPUもHBMも「複雑になるほど検査が長くなる」 売上+45%・利益2倍

  • AI半導体は回路が複雑で高性能なほど検査時間が伸び、テスタの台数が必要になる。生産数量の増加×複雑化の二重で需要が膨らむ構造(会社が短信で明記)
  • 前期はテストシステム事業の売上1兆194億円(+49.3%)・利益5,188億円(+97.9%)。HBM(AI用の高性能メモリ)向けテスタでも首位級のシェア(報道)
  • 会社は「暦年2026年の半導体市場は約1兆ドル超・テスタ市場は過去最大」と見通す(短信明記)
二の矢修正の連打

EPS予想を6回連続で塗り替えた——165円から641円へ 2年で3.9倍

  • 2024年10月に165.01円で始まった通期EPS予想は、228→244→303→378→452円と四半期ごとに上方修正され、実績は515.15円で着地。来期予想は641.61円(+25%)
  • この「予想を出せば超えてくる」実績の積み重ねが、PER45倍という物差しの正体——市場は数字でなく「修正の習慣」を買っている
  • 自己株式の取得・消却も続き(発行済株式は7.66億→7.32億株)、EPSの分母も縮んでいる
増幅外来の資金の波

頂点は米マイクロンの決算が作った——6/25の+15.1% ±5%が日常

  • 6/25、HBM需要の強さを示した米マイクロンの好決算を受けて+15.1%、上場来高値35,940円。自社の発表が何もない日に史上最高値がつく=値段を動かすのは世界の半導体資金
  • 直後の6/26▼9.6%・7/2▼10.0%で2週間に▼20%。7月は+7.7%(7/21)と▼6.0%(7/24)が数日おきに交互に来る乱高下
  • 4/27の本決算では営業益2倍でも翌日▼5.6%——期待が数字より高い局面では、良い決算すら売り材料になる
たしかめ固有か地合いか

「自社の日」より「他社の日」に大きく動く——連動の設計図 読み分け

  • 大きく動いた日を並べると:6/25+15.1%(マイクロン決算)・7/17▼7.2%(TOPIX▼2.7%の全体安)・6/8▼5.7%(同)——固有材料の日より、半導体セクター・市場全体の日が多い
  • つまりこの株の日々の上下は「アドバンテストに何かあった」ではなく「AI投資の温度が変わった」のシグナルとして読むのが正確
  • 固有の答え合わせは四半期決算だけ——だから決算前の週は7/23+4.1%→7/24▼6.0%のような神経質な往復になる
いまの位置
PER45倍は①検査という関所の地位 ②AIの生産数量×複雑化の二重成長 ③修正の連打の習慣の3つへの前払いです。いまの28,945円は高値から▼19%、それでも物差しは高いまま。「計画どおり」では足りず「また上方修正」が要る水準——次の答えは7/29の1Q決算。昨年は初回から通期予想を上げてきた会社が、今年も同じ手を打てるかが試されます
順番に注意 — この銘柄は「決算は引け後・主役は世界の半導体資金」

① 開示は15:30、反応は翌朝から
決算は15:30(引け後)が定例です。4/27の決算も、答えは翌4/28の▼5.6%に出ました。決算の夜は米国市場・ADRの反応が先に出るので、翌朝の寄り付きが本番です。

② 「良い決算=上がる」が通用しない物差し
営業益2倍・来期+25%予想でも売られたのが4月の実例です。PER45倍は「予想の上を行く」ことへの前払いで、会社予想と市場の期待の距離がすべて。決算の数字だけ見て「良かったのに下がった」と混乱しないための前提です。

③ 自社決算のない日はNVIDIA・マイクロンを見る
6/25の上場来高値は米マイクロンの決算が作りました。この株の日々の値動きはAI投資の温度計——NVIDIA(8月下旬)・マイクロン(9月下旬)の決算日は、自社決算と同格のイベントとして扱うのがこの銘柄の読み方です。

2

会社は大丈夫なのか(決算と、その土台)

短期の値動きから離れて、会社そのものを見ます。アドバンテストは半導体テスタの世界大手。テストシステム事業(SoCテスタ・メモリテスタ)とサービス他(消耗品・保守)の2部門。東証プライム上場・3月決算(IFRS)。数字の出どころは決算短信の実数です。

売上高
1兆1,286億
前期比+44.8%
2026年3月期実績。初の1兆円超え
営業利益
4,991億
+118.8%・率44.2%
来期は6,275億(+25.7%)を会社が予想
純利益
3,753億
+132.9%
テストシステム事業の利益が2倍(5,188億)
EPS(1株利益)
515.15円
→ 予想 641.61円
来期+25%予想。自社株消却で分母も縮小中

評価(PER)の変遷と、その意味

  • 2024年秋PER55.4倍前後 ── 通期EPS予想(165円)の開示が始まった頃。すでにAIテスタ需要は点火していた
  • 2025〜26年修正のたびに株価が階段を上る ── EPS予想が6回塗り替えられ、株価は予想の切り上がりを先回りして走った。2025年4月の関税急落時にはPER22倍まで冷えた場面もある
  • いま45.1倍 ── 高値(6/25)の56倍からは冷えたが、依然市場平均の3倍近い。「来期+25%のさらに上」への前払いが続いている状態

営業利益率44%の意味 ── 前期の営業利益率44.2%は製造業として突出した水準。検査工程の「関所」の地位と、高付加価値テスタへの集中の結果だが、この利益率自体が「需要が供給を上回っている」ことの証拠でもある。供給が追いつき価格競争が戻れば、利益率は下がる——利益率の推移が、関所の通行料が維持できているかの体温計になる(各数値は決算短信より。下の出典参照)。

知っておきたい3つのこと

  • 1テスタは「後追いの確度」で読む
    テスタの需要は半導体メーカーの増産投資の後から来る。NVIDIAのGPU・HBMの増産が決まってから検査能力が発注される=需要の可視性は高いが、シリコンサイクルが谷に入れば発注は止まる。過去のこの会社の株価はサイクルの波で大きく上下してきた。
  • 2株主還元も物差しの一部
    自己株式の取得を続け、発行済株式は7.66億→7.32億株へ。EPS 3.9倍の一部は分母の縮小でも作られている。現金3,400億円と財務は厚い。
  • 3注意点
    PER45倍は業績でなく評価の変化だけで大きく動く(4/28▼5.6%の実例) ②需要は少数の巨大顧客に集中——ハイパースケーラーのAI投資減速が最大のリスク ③中東情勢は「直接影響は限定的」だが物流コスト増を会社が言及 ④為替前提150円/ドル——円高は利益の逆風。

この強さを1本の鎖にすると(成立を確認する順番)

AI半導体の増産と複雑化 テスタ発注の増加(市場は「過去最大」見通し) 利益率44%の維持(関所の通行料) EPS 641.61円(+25%)の達成と上振れ PER 45.1倍という物差しの正当化

この鎖は最初の輪(AI投資)だけが外部要因で、残りはそこから機械的に流れてくる——だからこの株は「AI投資の温度計」として動く。確認の場は四半期決算(15:30開示)と、NVIDIA・マイクロンの決算です。

その数字の土台にある「前提」──これが生きている限り強さは続く

短期の上げ下げの土台にある「前提」です。この前提が生きている限り会社の強さは続き、崩れたら話が変わります

成立条件と崩壊条件
この会社の強さが続くために必要な前提と、崩れる合図
前提 1AI投資の持続

ハイパースケーラーのAI半導体投資が高水準で続く

  • GPU・HBMの増産計画がテスタ発注の源泉。会社見通し「テスタ市場は過去最大」もこの上に立つ
  • 崩れるサイン:米大手のAI投資計画の下方修正/NVIDIA・マイクロン決算での需要減速コメント/メモリ価格の急落
前提 2関所の地位

SoC・HBM両テスタでの首位級シェアと利益率44%が守られる

  • 検査の複雑化はシェアを持つ側に有利。ただし競合(テラダイン等)との攻防と顧客の内製化圧力は常にある
  • 崩れるサイン:大口顧客での競合採用/利益率の低下傾向/価格競争の再燃
前提 3修正の習慣

「予想を出せば超えてくる」パターンが続く

  • 6回連続の上方修正がPER45倍の土台。四半期ごとに「また上げたか」が問われる
  • 崩れるサイン:修正なしの「計画どおり」決算(それ自体が失望になり得る)/受注や売上総利益率の伸び鈍化
遠い脅威サイクルの重力

シリコンサイクルの谷と、45倍という物差しの持続性

  • テスタは歴史的に「好況で買われすぎ、不況で売られすぎる」装置株。AIが従来のサイクルを消したのか、遅らせているだけなのかは、まだ誰にも証明できていない
  • 業績が計画どおりでも、物差しが「普通の装置株」(20倍前後)へ戻るだけで株価は大きく下がる——この銘柄の最大のリスクは業績でなく評価。逆にAI投資が数年続けば、45倍が「新しい普通」になる可能性もある
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いまの株価は割高か、割安か(45倍の物差しの中身)

PER=株価が「1年分の利益」の何倍まで買われているか。数字が大きいほど、期待が多く乗っている状態です(その時点で公表されていた会社予想の1株利益で計算)。

PERの推移(会社予想の開示開始以降・日次) 2024-10 → 2026-07-24

計算:その日の終値 ÷ その時点で公表済みの会社予想1株利益。開示は一貫して15:00/15:30(引け後)のため、翌営業日から分母に反映。会社が通期EPS予想の開示を始めた2024年10月末からの系列。

いま
PER 45.1倍
2026-07-24(終値ベース・会社予想EPS 641.61円)
開示開始以降の中央値
48.3倍
およそ22〜70倍のレンジで推移
参考:市場平均
15倍前後
東証プライムの平均的な水準の約3倍の物差し

読み方 ── 特徴的なのは、EPS予想が2年で3.9倍になったのにPERが下がっていないこと。普通は利益が伸びるとPERは落ち着きますが、この株は「次の修正」を織り込んで物差しごと切り上がってきました。いまの45.1倍は、来期+25%の会社予想を「またどうせ超える」とみなした値段。だからこそ、修正が止まった瞬間の下げ幅も大きい——4/27に営業益2倍の決算を出して翌日▼5.6%だったのは、この構造の実演です。

いまの株価に織り込まれている前提

いまの28,945円(予想PER 45.1倍)は、「AI半導体の増産・複雑化が続き、EPS 641.61円(+25%)をさらに上回ってくる」という前提を織り込んだ値段です。テスタ市場「過去最大」の見通しと、6回連続上方修正の実績への前払い。

崩れる合図──7/29の1Q決算が修正なしの「計画どおり」に終わる/NVIDIA・マイクロンの決算でAI投資の減速が語られる/利益率44%が下がり始める。どれかが出たら、このページの見立ては見直しです。

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テクニカルと需給の現在地

下値の目安・窓・移動平均線をチャートに示しました。

下値の目安とサイン(日足75本) 〜2026-07-24

↓印=窓開け(前日から飛んで下げた日)。縦軸=株価(円)・横軸=日付。線の意味は下の説明と色で対応。

━ 青い線=25日線(30,422円)乱高下の中心線。いまの28,945円は線の-4.9%下——±5%の日常の中では、線の上下を数日で行き来する
━ 赤い点線=押し安値(26,000円・7/17)7月の急落の底。ここを終値で割ると調整の第2段階入り(強い警戒)
上の節① 32,000円前後(6/19〜6/24の滞留帯)高値更新前に商いを集めた帯。ここを出来高を伴って回復すると強い形に戻る
上の節② 35,940円(6/25・上場来高値・取引時間中)マイクロン決算の日の頂点。PER56倍の記録地点
下の節 25,000円前後→19,720円(3/31)6/8の安値帯(24,860円)が26,000円の下の実測の節。その下は春の安値19,720円まで薄い
200日線は24,083円長期トレンドの物差し(フル指標版で確認できます)

信用残の1年

信用買い残(あとで売る予約)/信用売り残(あとで買い戻す予約)の推移

信用残(週次)と売買代金 2025-07 → 2026-07-17

左目盛:万株(線)。下の棒:1日の売買代金(億円)。信用残は週1回の公表。

━ 赤い線=信用買い残(あとで売る予約)いま295万株(7/17公表)=出来高のわずか0.3日分。個人の信用は値段にほぼ影響しない
━ 青い線=信用売り残(あとで買い戻す予約)54万株・倍率5倍。需給の主役は機関・海外勢の半導体セクター資金
棒グラフ=売買代金1日平均約2,634億円(直近60日)と国内最大級。時価総額 約21兆円の指数中核銘柄

まとめ ── 6/25の頂点から▼19%、26,000〜32,000円の広いレンジで乱高下。需給は極めて軽く、値段はAI投資の温度と地合いで決まる。7/29の1Q決算が次の方向を決める公算。全体の結論は最終章「総合判断」へ。

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総合判断と、今後の注目点

ここまでの整理 ── ファンダメンタルズ:検査の関所として利益率44%・修正6連打。ただしPER45倍は「さらに上」を要求する物差し/需給:信用は無視できるほど軽く、主導は世界の半導体資金/テクニカル:▼19%調整・±5%が日常の乱高下。そのうえで、上と下、両方の「確認のサイン」を置いておきます。

✅ 反転・続伸が「本物」と確認できるサイン(上向き)

  • 7/29の1Q決算で通期予想の上方修正が出る(昨年の1Qと同じパターン)
  • 32,000円台(6月の滞留帯)を出来高を伴って回復する
  • 8月下旬のNVIDIA決算・9月下旬のマイクロン決算でAI・HBM投資の強さが再確認される
  • 利益率44%が維持される(関所の通行料の証明)

⚠ 調整継続・警戒のサイン(下向き)

  • 押し安値26,000円(7/17)を終値で割り込む——下の実測の節は薄く、春の安値19,720円まで距離がある
  • 1Q決算が修正なしの「計画どおり」——この物差しでは計画どおりが失望になり得る(4/28▼5.6%の実例)
  • NVIDIA・マイクロン決算でAI投資の減速・メモリ価格の下落が語られる
  • 利益率の低下・受注の伸び鈍化(サイクルの谷の初期サイン)
  • 円高の進行(為替前提150円/ドル)

📅 次に見るカレンダー

  • 7/29:第1四半期決算——45倍の物差しの初回点検(過去2年は7/29-31・15:30引け後開示→反応は翌朝。確定日は会社発表で更新)
  • 8月下旬:米NVIDIA決算——AI投資の温度を決める本尊
  • 9月下旬:米マイクロン決算——HBM投資の定点(6/25の高値はここから生まれた)
  • 随時:ドル円・米半導体株指数(SOX)・ハイパースケーラーの設備投資報道
  • 10月末:第2四半期決算(前年は10/28)

🧾 ニュースの見立てと答え合わせ — アドバンテスト(6857)

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6

出典・参考資料

このページの「なぜ」は、以下の適時開示と市場データをもとに、アルミナが整理・解釈したものです。

出典をすべて見る(タップで開く)

アドバンテストの適時開示(一次情報)

  • 2024/10/30〜2026/1/28 四半期決算短信——通期EPS予想165.01→227.74→243.96→302.71→378.06→452.34円と修正を重ねた出典
  • 2026/4/27 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕——売上1兆1,286億円(+44.8%)・営業利益4,991億円(+118.8%・率44.2%)・EPS 515.15円・テストシステム事業の売上1兆194億円(+49.3%)/利益5,188億円(+97.9%)・2027年3月期予想(売上1兆4,200億・営業益6,275億・EPS 641.61円・為替前提150円/ドル)・「暦年2026年の半導体市場は約1兆ドル超・テスタ市場は過去最大」の見通し・中東情勢「直接的な影響は限定的」の記載の出典
  • 2026/5〜7 自己株式の取得状況に関するお知らせ(複数回)——株主還元継続の出典。発行済株式7.66億→7.32億株
  • アドバンテスト 公式サイト(決算短信・説明資料の原本は公式サイトIRページから)

データの出典

  • 株価・出来高・売買代金・信用残・TOPIX:証券取引所が公表する市場データ・各社の決算資料をもとにアルミナが整備したデータベース(株価は2023/10の1:4分割を調整済み)
  • PER・移動平均・RSI等の指標:上記データからアルミナが算出(計算方法は各章に記載)
  • 6/25の急騰と米マイクロン決算・HBMテスタ首位級シェア:市場報道(2026/6/25)
  • 「世界市場をテラダインと二分」:両社の公表資料に基づく公知の事実

決算数値は適時開示の実数。シェアに関する記述は報道・公知情報に基づき、「首位級」の表現に留めています。

このページの約束:①嘘を書かない ②煽らない ③外れる条件(見直しのサイン)を必ず書く ④どこにも誘導しない。「上がる/下がる」は言い切らず、しくみ・事実・見直しの条件・見ておく場所だけをお伝えします。