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トヨタ自動車(7203)株価分析 輸送用機器
米国関税の減益影響1兆3,800億円・北米は営業赤字転落——それでも純利益3兆8,480億円、手元資金12兆7,000億円。 時価総額で日本最大(45.8兆円)の企業は、2月の高値4,000円から▼28% の2,897円(6/24の安値2,686円の時点では最大▼33%)。予想PERは11.5倍 と、AI関連の高評価銘柄とは正反対の「期待の乗っていない値段」で取引されている。関税の年は、どこまで織り込まれたのか ——昨年の下方修正が実は底だった実測も含めて、この1ページで整理する。
トヨタ自動車の今と見どころ 📊 株価データ:2026-07-24終値 ✍ 見立て・本文:2026-07-24執筆(週1+イベント時更新) 次回の本文更新:8/1(土)ごろ
30秒だけの人へ
時価総額で日本最大(45.8兆円)、「日本株の重心」 。前期(2026年3月期)は米国関税の減益影響1兆3,800億円 を受け、営業利益は3兆7,662億円(▼21.5%)・北米は1,925億円の営業赤字に転落 。それでも純利益3兆8,480億円・営業キャッシュフロー5兆5,000億円・手元資金12兆7,000億円という規模の会社。
株価は2/9の高値4,000円から6/24の2,686円まで▼33% 調整し、いまは2,897円。予想PER11.5倍は直近2年中央値(11.4倍)並みの「平常の倍率」 ——減益後のEPSで測っても、実は特別安くはない。注目すべき実測がある——昨年8/7にEPS予想を204円へ下方修正した日が、結果的に株価の底値圏だった 。実績は295円と修正から+45%上振れた。ただしこれは1年分の実測——恒常的な「保守的の癖」とまでは断定できない。
焦点は8月上旬の1Q決算=来期減益予想(営業益3兆円・▼20.3%/純利益ベースでは▼22.0%)がまた「保守的」だったのかの初回点検 。株価の物差しは25日線(2,827円)・押し安値2,794円(7/13)・年初来安値2,686円(6/24)。
いまの状態
業績 売上50兆6,849億(+5.5%)・営業益3兆7,662億(▼21.5%・関税影響1兆3,800億)・純益3兆8,480億(▼19.2%)。来期は営業益3兆円(▼20.3%)・EPS 251.25円(▼15%)予想・為替前提150円/ドル
株価の流れ 2/9高値4,000円→6/24安値2,686円(▼33%)→7月は2,850〜2,950円の静かな往来。7/17の全体急落日も▼0.3%とほぼ無傷
需給 信用買い残2,193万株=出来高の0.8日分。国内信用よりも海外投資家・指数連動資金・為替の影響が大きく、日々の値動きは日本株で最も穏やかな部類
割安度 予想PER 11.5倍・配当100円(利回り約3.5%)。「関税織り込み済み」か「減益の構造」かの分岐点の値段
読みたいところへ
📝 今週なにが変わったか (初回・毎週土曜に追記)
📌 今週の要点: このページは今回が開設。市場全体が急落した7/17(TOPIX▼2.7%)に、トヨタは▼0.3%とほぼ無傷 だった——高評価のテーマ株が▼5〜7%売られた日に、期待の乗っていない株の「下がりにくさ」の実例が出た(1日分の観測)。週間では2,850〜2,950円の静かな往来のまま、2,897円で終えた。この欄には毎週土曜、変化と答え合わせを追記していく。
① 新しく分かったこと
➡️ 荒れ相場でこの株だけ静かだった=資金の置き場所としての性格が出た
7月の市場はAI関連の乱高下が続いたが、トヨタは日々±2%以内の値動き。6/24の年初来安値2,686円から下値を切り上げる形は崩れていない。
→ 解釈:PER11.5倍は「関税の悪材料はもう値段に入った」とみなすか、「3期連続減益の構造を映しているだけ」とみなすかの分岐点にある。答え合わせは8月上旬の1Q決算。
② 見立ては変わったか → 🟢 変更なし (開設初回のため、見立ての起点はページ本文の通り)。
③ 🔒 確認条件(きょうから凍結・次回更新で答え合わせ)
(a) 8月上旬の1Q決算 (過去2年は8/1・8/7の13:25〜14:00場中開示)で、関税影響の実額と「営業利益3兆円(▼20%)」予想の修正方向
(b) 押し安値2,794円(7/13)と年初来安値2,686円(6/24)を守るか
(c) 3,000円台(5月末の水準)を回復できるか
④ 📅 次に見るもの ——8月上旬 1Q決算(場中開示→当日午後に反応) ・7/30 FOMC/日銀(円相場)・日米関税交渉の報道。
📅 これからの予定 — トヨタ自動車(7203)に関連するもの
未来のことで確定している数少ない事実=「いつ・何が出るか」。自社の予定だけでなく、市場全体の経済イベントもここに出ます。日付はすべて日本時間・日をタップすると詳細が表示されます。
7/30(木) ★FOMC(米金融政策) 結果発表 市場全体 日本時間 3:00 結果発表・3:30 議長会見。円相場を通じてトヨタの採算に直結 東京が反応する日: 7/30(木)
7/30(木) ★日銀 金融政策決定会合 市場全体 結果は7/31昼ごろ・総裁会見15:30。利上げ観測は円高=逆風方向 東京が反応する日: 7/31(金)
8月上旬 トヨタ自動車(7203) 1Q決算発表(予測日) 自社・予測 過去2年は8/1・8/7の13:25〜14:00(場中)開示=反応は当日午後から。昨年はこの日の下方修正が結果的に底値圏だった。会社が正式発表したら確定日に置き換えます
8月上旬 ホンダ・日産など自動車大手の1Q決算(予測) 同業・予測 関税影響の読み合わせ。各社の「影響額」の言い方の違いが比較材料になる
8/7(金) ★米雇用統計(7月分) 市場全体 日本時間 21:30。米景気=北米販売の土台 東京が反応する日: 8/10(月)
随時 日米関税交渉・自動車関税の報道 政策シグナル 減益影響1兆3,800億円の前提を動かす最大の変数。税率変更の報道は決算より値動きに効き得る
速報 直近の動き — トヨタ自動車(7203)に関連するかもしれないニュース
終値(調整後)
2,897円
2026-07-24(前日比▼1.8%・TOPIX騰落率との差▼0.7pt)
上場来高値からの下落
▼27.6%
高値4,000円(2026/02/09・取引時間中)から
直近2日の値動き
7/23+0.4% 7/24▼1.8%
直近2営業日の前日比
信用倍率
23倍
買い残2,193万株/売り残94万株(7/17公表・週次)
3つの視点で見る(2026-07-24時点)
ファンダメンタルズ
関税影響1兆3,800億円を受けて営業益▼21.5%・北米赤字転落。来期も営業益3兆円(▼20.3%)予想——営業利益は2025/3期から数えて3期連続の減益見通し で、関税の前から利益のピークアウトは始まっていた。 ただし純利益3.8兆円・営業CF5.5兆円・手元資金12.7兆円という土台は崩れていない 。そして昨年の実測——8/7の下方修正(EPS 204円)に対し実績は295円と+45%上振れ。前年度は大幅上振れの実績があり、今回の▼22%予想も同じ目で見られている——ただし1年分の実測で、恒常的な癖とまでは断定できない 。
需給
信用買い残2,193万株は出来高の0.8日分。 時価総額45.8兆円・1日の売買代金約806億円という日本最大の市場で、値段を決めるのは海外投資家・指数連動資金と為替 。7/17の全体急落日に▼0.3%——期待が乗っていない分、投げ売りも出ない。
テクニカル
2/9高値4,000円→6/24安値2,686円(▼33%)の調整を経て、7月は2,850〜2,950円の狭い往来。 いまの2,897円は25日線(2,827円)の+2.5%上。確認は ①押し安値2,794円(7/13)を守るか ②3,000円台の回復 ③8月上旬の1Q決算 で。
※「上がる/下がる」の断定はしません。いまの状態の要約と、確認すべき条件です。詳しくは以下の各章で。
1
なぜ、日本最大の企業が高値から3分の1も下げたのか
4,000円→2,686円の調整は、AIテーマ株の急落とは別の理屈で起きています。関税・円高・3期連続減益予想 という「重心ならではの逆風」を層ごとに分解します 。表はいちばん上が根っこ(土台)で、下へ行くほど新しい話になります。
土台 日本株の重心
時価総額45.8兆円——TOPIXの最大構成銘柄という宿命 構造的な地位
連結販売959万5千台(グループ全体では約1,000万台規模)・売上50.7兆円の世界最大級の自動車メーカー。日本株のインデックスを買う世界中の資金が、自動的にこの株を買っている
だから値動きは個別材料より「日本株全体への資金の出入り」と「円相場」に支配される——±2%以内の日がほとんどという、AI関連とは正反対の静かな値動き
コロナ期の2020年には1,154円(調整後)。2024年の認証問題・2025年の関税と、逆風の中でも高値4,000円(2/9)まで約3.5倍になっていた
きっかけ 関税の直撃
減益影響1兆3,800億円——北米が営業赤字に転落した 営業益▼21.5%
前期の米国関税による営業減益影響は1兆3,800億円 (会社が短信で明記)。営業利益は3兆7,662億円(▼21.5%)へ
所在地別では北米が1,925億円の営業赤字に転落 (前期は黒字)。日本も▼26.3%減益と、輸出採算の悪化が本体を直撃した
会社は「損益分岐台数が大きく上昇している」と率直に認め、全社での固定費見直し・原価改善に着手(短信明記)
二の矢 3期連続減益予想
来期も営業益3兆円(▼20.3%)——ただし「保守的の前歴」がある 解釈の分岐点
5/8の本決算で示した来期予想は営業利益3兆円(▼20.3%)・純利益3兆円(▼22.0%)・為替前提150円/ドル 。営業利益は2025/3期▼10.4%→前期▼21.5%→来期予想▼20.3%と、3期連続の減益シナリオ
ここで効いてくるのが昨年の実測——2025/8/7にEPS予想を237.57→204.09円へ下方修正したが、実績は295.25円と修正から+45%上振れた 。不確実性の高い局面では慎重な前提を置いた可能性がある(1年分の実測。EPSは為替・税負担・株式数にも左右されるため、営業利益予想の保守性の直接証明ではない点に注意)
5/8の決算当日、▼2.2%で済んだ(出来高7,500万株)ことは「相当部分が値段に入っていた」ことを示唆する——ただし配当の下支えや為替など、他の解釈も残る。3日後からは3連騰の買い戻しが入った
増幅 静かな調整
急落ではなく「じり安」——2月から4ヶ月半かけて最大▼33% 重心の下げ方
AIテーマ株のような1日▼10%の急落はなく、4月▼3%前後×3回・6/1▼4.5%と、商いを伴うじり安の積み重ね で6/24の2,686円まで下げた
この間、市場の資金は「関税で利益が読めない自動車」から「AI・防衛・電線」へ移動——重心が売られたというより、資金がテーマへ出て行った 面が大きい
6/24を境に下値は切り上げ。7月は2,850〜2,950円の往来で、値動きの荒い月に静けさが際立った
たしかめ 固有か地合いか
7/17の実測——全体▼2.7%の日に▼0.3% 下がりにくさの実例
市場全体が急落した7/17(TOPIX▼2.7%)、高評価のテーマ株が▼5〜7%売られる中でトヨタは▼0.3% 。期待が乗っていない株は、期待の剥落では下がらない
逆に全体が戻る日(6/15 TOPIX+3.0%)には+4.6%と素直に戻る——時価総額と指数寄与度の大きさから、個別成長株というより「日本株全体の代理変数」に近い値動き
固有で動く日は決算と関税報道だけ。この構造は、テーマ株の乱高下に疲れた資金の置き場所としての性格を強めている
いまの位置
▼33%の調整は①関税1兆3,800億円の実額 ②3期連続減益予想 ③テーマへの資金流出 の3つが作りました。いまの2,897円(PER 11.5倍)は悪材料をかなり反映した後の値段——ただしEPS予想も下がっているため、倍率としては過去2年の平常水準にすぎない。争点は「▼22%予想がまた保守的なのか」の一点 ——次の答えは8月上旬の1Q決算。関税影響の実額と予想の修正方向が試されます 。
順番に注意 — この銘柄は「決算は昼・予想は保守的の前歴つき」
① 開示は13:25〜14:00の場中、反応は当日の午後から 決算は昼過ぎの場中開示が定例です。5/8の▼2.2%も当日午後の反応。夜に考える余裕はなく、当日の後場がそのまま答え になります。
② 会社予想は「慎重に出る」可能性を頭に入れて読む 昨年8/7の下方修正(204円)→実績295円(+45%上振れ)という前例があります。今回の「営業益3兆円・▼20%」にも同じ期待がかかっていますが、1年分の前例にすぎない点は忘れずに。怖いのは「保守的なはずの予想をさらに下回る」パターン ——その時だけ、この株は大きく動きます。
③ 決算より関税報道・為替で動く日がある 減益の主因は関税1兆3,800億円と為替です。日米交渉で税率が動く報道は、決算より先に値段を動かします 。日銀の利上げ観測(円高)も逆風方向。この2つは決算カレンダーの外から来ることに注意です。
2
会社は大丈夫なのか(決算と、その土台)
短期の値動きから離れて、会社そのものを見ます。トヨタ自動車は自動車事業・金融事業・その他 の3セグメント。連結販売959万5千台(前期比+2.5%・グループ全体では約1,000万台規模)の世界最大級メーカーで、東証プライム上場・3月決算(IFRS)。数字の出どころは決算短信の実数です。
営業収益
50兆6,849億
前期比+5.5%
2026年3月期実績。日本企業で最大級の売上
営業利益
3兆7,662億
▼21.5%
米国関税の減益影響1兆3,800億円(短信明記)
純利益
3兆8,480億
▼19.2%
営業CF 5兆4,729億・手元資金12兆6,596億
EPS(1株利益)
295.25円
→ 予想 251.25円
来期▼15%予想・配当100円予想
減益の中身——どこで1兆円消えたか
自動車 営業益2兆7,770億(▼29.5%) ── 本業の減益が全体を規定。営業収益は45兆4,177億円(+5.1%)と増収なのに利益だけ減る=数量でなく採算(関税・諸経費)の問題
所在地別 北米▼3,013億で赤字転落・日本▼26.3% ── 関税を含む諸経費増加の影響が数字ではっきり見える。一方、その他地域(中南米等)は+30.2%増益
金融 営業益8,517億(+24.6%) ── 販売金融が下支え(全社営業益の約23%)。ただし増益には金利スワップ評価益を含み、反動はあり得る
読み方 ── 増減要因の内訳(会社開示)は、営業努力+7,100億円に対し諸経費等▼2兆300億円・為替▼1,950億円。売上と販売数量は増えているのに、営業利益率は11.9%(2024/3期)→10.0%→7.4%→来期予想5.9% と3年でほぼ半減する見通し——ここが本当の論点。関税と将来投資という一時的な負担が主因なら関税率と為替次第で戻り得るが、競争激化・高コスト化を含む構造的な低下なら戻らない。どちらなのかはまだ確定していない ——それが「読めない」から、株は安い物差しで放置されている。
知っておきたい3つのこと
1 前年度は予想が大幅に上振れた 2025/8/7の下方修正EPS 204.09円→実績295.25円(+45%上振れ)。慎重な前提を置いた可能性があり、会社予想と実績の差そのものが、この株の主要な変動要因 になっている。ただし1年分の実測で、恒常的な傾向とは断定できない。
2 財務の土台は日本企業で最厚 営業CF 5兆4,729億円・手元資金12兆6,596億円(金融事業を含む連結の現金同等物)・総資産105兆円。3期連続減益予想でも配当は100円へ増配予想——減益と財務悪化は別物 という点は押さえておきたい。
3 注意点 ①関税率の再引き上げ・交渉決裂 ——前提ごと壊れる最大リスク ②円高 ——前提150円/ドルより円高なら追加減益 ③損益分岐台数の上昇 (会社が明言)——固定費構造の改善が計画倒れなら減益が定着する ④EV・中国勢との競争は中期の宿題のまま。
この強さを1本の鎖にすると(成立を確認する順番)
関税・為替の前提が固まる →
北米採算の底打ち(四半期で確認) →
固定費・原価改善の実行(会社宣言済み) →
「予想上振れ」の再現 →
PER 11.5倍の見直し(重心の再評価)
この鎖は最初の輪(関税・為替)が政治で決まる のが特徴です。会社の努力ではどうにもならない変数が最上流にある——だから株価は「実力」でなく「前提の確度」で値付けされている。確認の場は四半期決算(場中開示)と関税・為替の報道 です。
その数字の土台にある「前提」──これが生きている限り強さは続く
短期の上げ下げの土台にある「前提」です。この前提が生きている限り会社の強さは続き、崩れたら話が変わります 。
成立条件と崩壊条件
この会社の強さが続くために必要な前提と、崩れる合図
前提 1 関税の固定化
関税負担が「読める固定費」に変わっていく
影響1兆3,800億円は巨額だが、税率が固まれば価格転嫁・生産配置で吸収する計画が立つ。「読めない」状態の解消が最初の前提
崩れるサイン :税率の再引き上げ・対象拡大/日米交渉の決裂報道/報復関税の連鎖
前提 2 世界販売の維持
959万台の販売数量と北米市場が崩れない
前期は増収(+5.5%)=数量は保った。ハイブリッド需要の強さが数量の土台
崩れるサイン :北米販売の減速/値上げによるシェア低下/米景気後退
前提 3 改善の実行
固定費見直し・原価改善で損益分岐台数を下げ直す
会社は「全社一丸となった取り組みを開始」と宣言。営業努力+7,100億円の実績は改善余力の証拠
崩れるサイン :四半期ごとの利益率が改善しない/諸経費の増勢が止まらない/「保守的なはずの予想」をさらに下回る
構造の変化 進行中の宿題
EV・ソフトウェア化の波と「重心」の地位の持続性
関税は数年の問題だが、EVシフト・中国勢の台頭・車のソフトウェア化はすでに進行中の構造問題 。ハイブリッド優位で稼げる猶予期間のうちに、電池・ソフトウェア・中国対応という次の柱を作れるか——ここがこの株のPERの上限を決める
短期の株価には出にくいが、PER11倍という物差しの一部は、この長期の不確実性の割引でもある
3
いまの株価は割高か、割安か(重心の値段)
PER =株価が「1年分の利益」の何倍まで買われているか。数字が大きいほど、期待が多く乗っている 状態です(その時点で公表されていた会社予想の1株利益で計算)。
PERの推移(直近2年・日次)
2024-05 → 2026-07-24
計算:その日の終値 ÷ その時点で公表済みの会社予想1株利益。開示は一貫して13:25〜14:25(場中)のため、当日から分母に反映。
いま
PER 11.5倍
2026-07-24(終値ベース・会社予想EPS 251.25円)
直近2年の中央値
11.4倍
およそ7〜17倍のレンジで推移
参考:配当利回り
約3.5%
年100円配当予想(増配)。PERと並ぶもう一つの物差し
読み方 ── トヨタのPERはこの2年ずっと10倍前後の狭い箱の中 にあります。AI関連が30〜50倍で乱高下する間も、この株の物差しはほぼ動かなかった——市場は「大きくは伸びないが、壊れもしない」と見なし続けている。いまの11.5倍は、▼22%減益予想をそのまま受け取った値段 。昨年のように予想が保守的なら実績PERはもっと低くなる計算で、そこが「見直し余地」として意識されています。逆に、保守的なはずの予想すら未達なら、10倍の箱の下限が抜ける——争点は倍率でなく、分母(EPS)の信頼度 です。もう一つの物差しがPBR——1株純資産3,062.82円に対して2,897円は約0.95倍 と1倍近辺。ROE(自己資本利益率)は10.1%(前期13.6%)で、来期予想の利益3兆円が現実になればさらに低下し得ます。財務面の下値は限定されやすい一方、利益率とROEの回復を確認しない限り、大幅な再評価にも根拠が足りない ——それがいまの値段の意味です。
いまの株価に織り込まれている前提
いまの2,897円は、予想PERで直近2年中央値(11.4倍)とほぼ同水準・PBRで約0.95倍——「関税の悪材料はかなり反映されたが、回復の確度はまだ見えない」という中間地点の値段 です。昨年の+45%上振れの再現を少しだけ期待し、減益基調の定着を少しだけ警戒している。
崩れる合図 ──8月上旬の1Q決算で保守的なはずの計画をさらに下回る/関税の再引き上げ報道/円高の進行(前提150円/ドル)。どれかが出たら、このページの見立ては見直しです。
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テクニカルと需給の現在地
下値の目安・窓・移動平均線をチャートに示しました。
下値の目安とサイン(日足75本)
〜2026-07-24
↓印=窓開け(前日から飛んで下げた日)。縦軸=株価(円)・横軸=日付。線の意味は下の説明と色で対応。
━ 青い線 =25日線(2,827円)7月の往来の中心線。いまの2,897円は線の+2.5%上
━ 赤い点線 =押し安値(2,794円・7/13)7月の往来の下限。ここを終値で割ると底打ちの形が崩れる
━ 灰色の点線 =年初来安値(2,686円・6/24)▼33%調整の底。ここを割ると調整の第2段階入り(強い警戒)
上の節① 3,000円前後(5月末の滞留帯) 心理的節目と5月の商い集中帯が重なる。回復すれば底打ちの形が固まる
上の節② 3,400円台(4月の水準)→ 4,000円(2/9・上場来高値・取引時間中) 戻りの階段。高値までは▼28%分の距離がある
200日線は3,185円 長期トレンドの物差し(フル指標版 で確認できます)
信用残の1年
信用買い残(あとで売る予約)/信用売り残(あとで買い戻す予約)の推移
信用残(週次)と売買代金
2025-07 → 2026-07-17
左目盛:万株(線)。下の棒:1日の売買代金(億円)。信用残は週1回の公表。
━ 赤い線 =信用買い残(あとで売る予約)いま2,193万株 (7/17公表)=出来高の0.8日分。時価総額45.8兆円の株には無視できる規模
━ 青い線 =信用売り残(あとで買い戻す予約)94万株・倍率23倍。需給の主役は世界の機関投資家とインデックス資金
棒グラフ=売買代金 1日平均約806億円 (直近60日)と国内最大級。時価総額 約45.8兆円
まとめ ── 6/24の2,686円で底を打った形のまま、2,850〜2,950円の静かな往来。国内信用残は主因になる規模ではなく、動くとすれば材料(決算・関税・為替)から。8月上旬の1Q決算が次の方向を決める 公算。全体の結論は最終章「総合判断」 へ。
5
総合判断と、今後の注目点
ここまでの整理 ── ファンダメンタルズ :関税1兆3,800億円を含む3期連続減益予想。ただし財務は最厚で、前年度は予想上振れの実績/需給 :国内信用残は小さく、主導は海外投資家・指数連動資金と為替/テクニカル :6/24底打ちの形で静かな往来。そのうえで、上と下、両方の「確認のサイン」 を置いておきます。
✅ 反転・続伸が「本物」と確認できるサイン(上向き)
8月上旬の1Q決算 で、関税影響の実額が想定内に収まり、通期予想の上方修正(または上振れ示唆)が出る——昨年パターンの再現
3,000円台(5月末の水準)を出来高を伴って回復する
200日線(3,185円)を終値で回復する ——中期トレンド転換の確認。3,000円回復の次の階段
日米関税交渉の進展報道 ——税率引き下げは前提ごと好転させる最大材料
円安方向への推移(前提150円/ドルより円安は上振れ要因)
⚠ 調整継続・警戒のサイン(下向き)
押し安値2,794円(7/13)→年初来安値2,686円(6/24)を順に割り込む
1Q決算で保守的なはずの計画をさらに下回る ——この株が大きく動く唯一の悪材料パターン
関税の再引き上げ・対象拡大の報道 /日銀利上げによる円高進行
北米販売の減速・値上げによるシェア低下
損益分岐台数の改善が数字に出てこない(固定費削減の計画倒れ)
📅 次に見るカレンダー
8月上旬 :第1四半期決算——「保守的予想」の初回点検(過去2年は8/1・8/7の13:25〜14:00場中開示→当日午後に反応。確定日は会社発表で更新)
8月上旬 :ホンダ・日産など同業の1Q決算——関税影響の読み合わせ
随時 :日米関税交渉・自動車関税の報道——決算より先に値段を動かし得る最大変数
随時 :ドル円(前提150円)・日銀の利上げ観測
11月上旬 :第2四半期決算(前年は11/5)
🧾 ニュースの見立てと答え合わせ — トヨタ自動車(7203)
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出典・参考資料
このページの「なぜ」は、以下の適時開示と市場データをもとに、アルミナが整理・解釈したものです。
出典をすべて見る(タップで開く)
トヨタ自動車の適時開示(一次情報)
2024/5/8 2024年3月期 決算短信〔IFRS〕──2025年3月期予想(EPS 264.95円)の出典
2025/5/8 2025年3月期 決算短信──2026年3月期予想(EPS 237.57円)の出典
2025/8/7 第1四半期決算短信(14:00場中開示)──EPS 204.09円への下方修正(関税織り込み)の出典
2025/11/5・2026/2/6 中間・第3四半期決算短信──EPS 224.81円→273.91円への上方修正の出典
2026/5/8 2026年3月期 決算短信──営業収益50兆6,849億円・営業利益3兆7,662億円(▼21.5%)・米国関税の営業減益影響1兆3,800億円 ・北米1,925億円の営業赤字・純利益3兆8,480億円・EPS 295.25円・営業CF5兆4,729億円・手元資金12兆6,596億円・増減要因内訳(営業努力+7,100億/諸経費▼2兆300億/為替▼1,950億)・2027年3月期予想(営業収益51兆・営業益3兆・純益3兆・EPS 251.25円・為替前提150円/ドル)・「損益分岐台数が大きく上昇」の記載の出典
トヨタ自動車 公式サイト(決算短信・説明資料の原本は公式サイトIRページから)
データの出典
株価・出来高・売買代金・信用残・TOPIX:証券取引所が公表する市場データ・各社の決算資料をもとにアルミナが整備したデータベース(株価は2021/10の1:5分割を調整済み)
PER・移動平均・RSI等の指標:上記データからアルミナが算出(計算方法は各章に記載)
連結販売959万5千台(+2.5%)は決算短信の実数。「約1,000万台」はグループ全体の規模感を指す
決算数値は適時開示の実数。関税影響額・增減要因は決算短信の記載に基づく記述です。